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内容説明
リニア新幹線は、死に体に近づきつつある。リニアが直面している困難は、財源不足、発生土の処理や静岡での未着工問題、大都市圏のトンネル掘削でのシールド工法の技術的問題、その結果導かれた大幅な工期遅れ、住民の反対運動など。そしてこれから直面する南アルプスのトンネル掘削、それに伴う南アルプスの壊滅的な環境破壊。このまま、強行すれば、さらに大きな破綻を招くことになる。これらの問題を専門家が詳しく解説。
目次
1 リニアが抱えた困難(国策民営事業としてのリニア中央新幹線―財源問題に見る問題点;迷走する残土処分場探し;なぜ静岡県でリニア工事が始まらないのか?;多くの不安を抱えたリニアのトンネル工事;リニアニ〇二七年開業が遅れるのは静岡県のせいではない;工事中止と事業見直し求める市民、住民運動の拡大)
2 リニアがこれから直面する困難(南アルプストンネルの危険性―地質の観点から;リニア新幹線の安全性;トンネル工事での地下水位低下と地表面沈下―福木トンネル工事を例として)
3 リニアはなぜ失敗したか(手抜きアセス;工事技術への甘い見通し;JR東海はなぜリニアを;二〇年問題と葛西敬之という個性)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青雲空
5
葛西孝之の妄執と安倍晋三の願望が重なって2027年完成を目指したリニア計画は、根底から狂っていた。 北斗の拳のケンシローでなくてもこういうだろう。 「リニアよ、お前はすでに死んでいる」 技術的にも、財政的にも21世紀前半の完成は不可能だろう。 そして今世紀後半、十数兆円をつぎ込んだ挙句、新「廃線跡を歩く」コースが生まれているだろう。2024/06/06
doublebeko
1
先日まで長野県に住み時折、飯田市に設置予定の長野県駅及びトンネル工事のニュースに触れてきた。いつかできるんだろうな、という程度の認識を持っていたが、リニア中央新幹線は無理筋の上に無理を重ねた計画なんですね。JR東海はリニア建設の進捗について積極的に広報をしていない。土地買収などが絡んで情報を出せないのかと思っていたが、あまりにもずさんな計画ゆえに積極広報ができないだけ。建設途中の構造物が東京~名古屋間に点在するのは避けてほしい。JR東海もリニアの失敗で国管理の会社になるんだろうな。2024/07/11