内容説明
ニュースの背景・歴史・行間を読み解く。性的マイノリティーの話題を網羅した『読む現代LGBT事典』。日本で当事者運動が活発化した1990年代以後を生きたゲイ男性が、話題を自分史に重ねながら平易に解説。
目次
性をめぐる知識との出会い
同性パートナーシップと法整備
同性カップルの暮らしの諸相
生活者としての性的マイノリティーと老後
子ども・若者・学校をめぐって
コミュニティー、文化、政治
エイズとLGBT
1990年代に起こったこと
著者等紹介
永易至文[ナガヤスシブン]
1966年、愛媛県生まれ。1980年代末からゲイのコミュニティー活動にかかわる。出版社勤務をへて、2000年代以後、ライター/編集者として性的マイノリティーの暮らしや老後、HIV問題を取材・執筆。高邁な理想論を追うよりも、いまできることを具体的に、が持ち味。2013年に行政書士登録、東中野さくら行政書士事務所開設。同年、特定非営利活動法人パープル・ハンズ設立、同事務局長。「性的マイノリティーの老後を考え、つながるNPO」「老後と同性パートナーシップの確かな情報センター」を掲げて、講座や相談、集いの運営のほか、公正証書の作成などの実務にあたっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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katoyann
24
読売新聞社のオンラインサイト「読みドクター」に連載された「虹色百話」というコラムとその他媒体に発表された論稿を再編集した本。LGBTの体系的な入門書であり、日本における性的マイノリティの歴史が分かる。法律の専門家らしく、性的マイノリティに関する法律の解説が詳しく書かれている。性的マイノリティに関する基本法が日本には未だなく、包括的な権利保障に関する議論も進まない。個人的には、渋谷区のパートナーシップ条例における同性パートナー認定要件や同性婚を可能にする民法改正については勉強になった。面白いので是非!2022/06/12
イッセイ
4
ここ20〜30年の日本におけるLGBT、特にゲイの社会的な流れがよく分かる。こうした動きに関わってきた著者だからこそ記せた1冊なのだと思う。2023/10/30
遠宮にけ❤️nilce
3
著者は井田真木子さんの『もうひとつの青春』で描かれていた当事者の一人。アカーの裁判、エイズブームのその後、性的マイノリティの方々が当たり前の人権を守るためにささやかで穏当な主張を積み重てここまできたのだということがよくわかる。変化を拒む伝統的な家族観は一体誰に何に益しているのか。それが本来幸福に生きられただろう人間を苦悩させ、孤独にさせ芯から曲げさせるような力になっているのに。無かったかのように振る舞い頑なに受け入れようとはしない。振り返ってこんな酷い時代もあったのかと驚くくらいの変化を起こしていきたい。2023/10/15
さくま
0
LGBTとあるが、ほぼゲイリブヒストリー。2022年の本にしては、Xジェンダーとノンバイナリーを同じとしていたり、バイセクシュアルやパンセクシュアル、アセクシュアルについての言及がほぼないなど、説明が雑すぎる。個々の法律や裁判についての説明は詳しい。2023/09/05