内容説明
人類は、広島・長崎への原爆投下以来、何度も核戦争による破滅の危機に遭遇してきた。またビキニをはじめとする核実験やチェルノブイリやフクシマの原発事故は、甚大な被害と膨大なヒバクシャを新たに生み出してきた。本書は、ヒロシマからフクシマまで核時代の歴史の変遷の中で、核による「被害」と「人権」、「加害」と「責任」、具体的には、核被害者の人権と加害者の責任に焦点をあてて歴史を総括。ヒバクシャをはじめとする世界の人びとが、反核平和・反原発のたたかいを通じて、核廃絶のためにどのように苦闘してきたかを考察した労作。
目次
1部 原爆被害―人権と責任(原爆被害―人権と責任、被爆者の訴え;原水禁運動と被団協の結成、原爆「医療法」と「原爆裁判」東京地裁判決;被爆者の「平和に生きる権利」と「生命権」、「三つのホショウ」と国の責任 ほか)
2部 世界の核被害―グローバルな人権と責任(核の健康・環境影響と科学者の証言―環境権、健康権の確立をめざして;被爆者からヒバクシャへ ヒバクシャの国際連帯;世界の核被害者の人権確立、連帯をめざして ほか)
3部 フクシマ核被害―人権と責任、被曝の「受忍」(深刻かつ甚大なフクシマ核被害と人権侵害;ICRPの被曝強要、「受忍論」とグローバー勧告の健康権;子ども・被災者支援法と被曝を避ける権利、国の責任 ほか)
年表 核時代の変遷と反核平和運動
著者等紹介
稲岡宏蔵[イナオカコウゾウ]
1941年1月長崎市に生まれる。原爆投下8月9日の直前に現在の諌早市に疎開して被爆を免れる。1960年4月大阪大学入学、理学博士(素粒子)。学生・大学院生の自治会活動、科学者の反核平和活動に取り組む。大学非常勤講師をしながら反核平和、反原発運動を行ってきた。最近の取組は、非核平和のひろば、地球救出アクション97、連れ合いの稲岡美奈子と共同の活動が多くなっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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