内容説明
原子力発電所で大事故が起きた場合、周辺住民は速やかに避難しなければならない。そのために国・原子力規制委員会の定めた原子力災害対策指針があり、この指針に基づき道府県・市町村の原発避難計画が策定されている。2014年にこの指針の方針転換があり、国の避難政策が「できるだけ住民を逃がさない」施策になった。これはいったいどういうことか?本書は、この指針やそれに基づく避難計画では、住民の安全な避難が不可能なことを、避難の全局面で一つ一つ明らかにする。そして健康を脅かす被ばくを強要する国の政策を問う。
目次
1 再稼働と「新安全神話」(四〇年前から始まっていた福島原発事故;増え続ける使用済燃料、放射性廃棄物 ほか)
2 避難と被ばく(被ばく管理に関する整理;現在の避難政策 ほか)
3 避難政策の転換と問題(「できるだけ住民を逃がさない」方針への転換;原子力防災の枠組みの問題点 ほか)
4 避難の困難性(避難の各段階における困難;避難に関する基本的な情報(「Q&A」7関連) ほか)
5 避難したあとどうなるのか(避難関連施設自体の危険性;いつまで「体育館に雑魚寝」なのか ほか)
著者等紹介
上岡直見[カミオカナオミ]
1953年東京都生まれ。環境経済研究所代表。1977年早稲田大学大学院修士課程修了。技術士(化学部門)。1977年~2000年化学プラントの設計・安全性評価に従事。2002年より法政大学非常勤講師(環境政策)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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