内容説明
私たちの社会も国家も、戦前・戦中の侵略戦争や植民地支配の責任を認めず、謝罪どころか、きわめてご都合主義的な解釈による歴史修正主義が跋扈し、保守政党による戦前回帰への動きは強まっている。議論の空間は閉塞し、私たちの眼前には「重い扉」が行く手を阻んでいる。どうすればこの「重い扉」を押し倒し、未来を築けるのか?本書は、日中戦争史と戦争責任、天皇制と戦争責任、朝鮮の植民地支配と従軍慰安婦、変容する自衛隊と戦前回帰志向の安倍政権など、現代日本の争点を分析し、どうすればいいのかを考える。
目次
第1部 蘇る戦争の記憶と現実(終わらない戦争を辿る;戦争責任問題から天皇制を問う)
第2部 未決の植民地問題(朝鮮半島問題と植民地責任の狭間で;従軍慰安婦問題の何が問われているのか)
第3部 遠のく平和国家日本(変容する自衛隊の危うさ;戦前回帰志向の果てに)
付録 纐纈厚の仕事
著者等紹介
纐纈厚[コウケツアツシ]
1951年岐阜県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。博士(政治学、明治大学)。現在、明治大学特任教授(研究・知財戦略機構)、明治大学国際武器移転史研究所客員研究員。前山口大学理事・副学長。専門は、日本近現代政治史・安全保障論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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