内容説明
前立腺癌患者をモルモットに?!告発した医師を病院が追放。
目次
プロローグ 生体実験と医療倫理
1章 岡本メソッドの誕生
2章 小線源治療の二つの窓口
3章 謎の二週間になにが起きたのか
4章 カルテ不正閲覧事件とピラミッド型組織
5章 名医を追放するための論理
6章 岡本医師追放への執念
7章 戦後の「繁栄」、医学部の闇
エピローグ 事件と患者達のその後
著者等紹介
黒薮哲哉[クロヤブテツヤ]
フリージャーナリスト。1958年兵庫県生まれ。1992年、『説教ゲーム』(改題:「バイクに乗ったコロンブス」)でノンフィクション朝日ジャーナル大賞「旅・異文化」テーマ賞を受賞。1998年、『ある新聞奨学生の死』で週刊金曜日ルポルタージュ大賞「報告文学賞」を受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
30
画期的な前立腺癌治療法を確立した滋賀医大の岡本圭生医師が、大学から追放されようとする事件を扱ったドキュメント。昨年、テレビ等でも報道された有名なニュースである。岡本医師の名声に対する嫉妬が背景という書きぶりだが、本当のところは、よくわからない。ただ、患者を蔑ろにして、教授のメンツや学術研究を優先する大学側の姿勢は批判されて然るべきだし、何より、これだけ大事件なのに、社会に何の発信もしない大学側の頑なな態度には不信感を禁じ得ない。七三一部隊、遠藤周作「海と毒薬」など、医療と倫理に関わる話題の種は尽きない。2020/01/10
Keystone
6
村井理子さんが素晴らしいお医者様に手術されたと書いておられたので、どんなドクターかなと調べたら、浅井先生はパワハラで退職されたとのこと。滋賀医科大学では別のドクターもパワハラで退職されたとのことで、一体どうなってるの?と、こちらの本に行きつきました。「なんで?」というのが一番の感想。「嫉妬」で何人もの患者さんの命を危険にさらしているの?患者さんのことなんて全く考えていない病院長や教授たちに怒りを覚えました。病院側の言い分も聞いてみたいです。岡本医師は別の病院に移られた模様。ご活躍をお祈りします。2022/11/22