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内容説明
「VEGAN=ビーガン」という言葉は、完全菜食主義などと訳され、豆腐と玄米を好む極端な食事法、女性に人気の健康志向の生活スタイルとみられてきた。しかしそれは薄っぺらな理解といえる。本書はこうした誤解を丁寧に解き、ビーガンとは、動物搾取の産物を可能な限り一掃しようとする考え方で、具体的には、肉・乳・卵・蜂蜜などを避け、衣では絹・革・毛皮・羊毛などを避け、さらに動物実験を経た化粧品を避け、こうした動物搾取を推進する企業や研究に反対する社会運動であることを解説する。動物搾取、人種差別、性差別、階級差別に反対する、脱搾取=ビーガニズムの入門書。
目次
第1章 動物の権利
第2章 脱搾取
第3章 人間の権利
第4章 環境
第5章 思いやりある世界
第6章 Q&A
補遺
著者等紹介
ホーソーン,マーク[ホーソーン,マーク] [Hawthorne,Mark]
活動家・文筆家。1992年にインドで1頭の牛と出会ったことをきっかけに肉食をやめ、10年後にビーガンとなる。妻のローレン・オーネラスとともにカリフォルニア州に在住
井上太一[イノウエタイチ]
翻訳家。日本の動植物倫理・環境倫理を発展させるべく、関連する海外文献の紹介に従事。国内外で講演活動、動物擁護団体への協力活動も行なう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ロア
27
毎年可愛い赤ちゃんが沢山生まれてお披露目される動物園で、個体数が一定に保たれてるのが不思議だったのですが、こんな合理的な解決策がとられていたとは…予想以上でした。「ビーガン」とは単なる完全菜食主義の事ではない。その範囲は、動物搾取、人種差別、性差別、階級差別など多岐にわたる。それらの暴虐に満ちた残酷な現実を、地球上から無くす事を決意し実行する生き方。それが、「ビーガン」だ。あなたの生き方に意見はしない。ただ、私たちの暮らしがどのような事実によって成り立っているのかは、知っておかなければいけないと思う。2019/04/06
Hiroo Shimoda
7
ビーガンとは脱搾取主義であり菜食主義ではない。人種差別、性差別、貧困などと同じ目線で動物福祉を捉え、だからこそ肉も魚も食べない。全く無知だったので勉強になった。2019/07/26
まさき|リクルート×副業(Lステップ構築)
5
けっこう読者を選ぶかも。非ビーガンが読むと、ますます距離を感じてしまう本であるように感じました…。 「脱搾取の魅力は、それが実に多くの生活の問題に対する改善策となる点にある。苦しみと病と暴力に悩む世界の中で、脱搾取の生活スタイルは、現状を拒んで思いやりへ向かい、健康な食事と私たちを超える生命たちへの配慮によって、この心身をやしなってくれる。本書を通して私たちは、脱搾取に限らず、動物の権利、人間の権利、そして環境について深く学び、社会正義のために奮闘しながら自分を磨く手立てを考える(p.9)」。2020/01/05
マグリ
3
何かと目にするヴィーガンという言葉。洒落くさいと思いながら、知識として知っておこうと。 健康志向の完全菜食主義というイメージだったが、その本質は”脱搾取”。 動物の権利、低賃金労働の子供や女性、地域格差、等々、あらゆるアンフェアなものに意識をむけて行う、非常に実践的な思想だった。 自分の健康が目的ではなく、他者への思いやりに根付くことが大事というわけなのだ。 ストイックなものではあるが、最初はできることからやっていこうという姿勢で、Q&Aまで掲載してあるよくできた一冊。興味あれば是非。2020/03/31
Jack Amano
3
Veganは、菜食主義のより徹底したものくらいの認識だったので、脱搾取おいう思想に立っていると知り、より理解は深まった。以前に比べれば、肉や魚、乳製品などを食べることは格段に減った。完全にVeganにならずとも、今の世の中の肉や魚も何もそんなに食べなくてもいいんじゃないの、というくらい消費している。そして調子が悪いと言って薬を飲んでいる。実は世界のトップレベルの人にVeganもしくはそれに近い人は結構多い。体に気を遣うと、Veganに近くなる。この本を読むと、食用肉をあまり食べたいと思わなくなります。2019/07/28