内容説明
川上の監禁畜舎では過密飼育によって環境と動物福祉が日に日か脅かされ、川下の食肉処理工場ではヒスパニック系労働者が国内随一の危険な労働環境に置かれ、職を奪われた白人社会から敵意を向けられる。果てはスーパーマーケットでは抗生物質漬けの肉が消費者の健康を脅かす。それは生産増に奔走して限界に達してしまったアメリカ企業の肖像であり、また同時に質よりも低価格と利便性をとる人間の肖像でもある。現代アメリカ社会の暗部と病根を照らし出す渾身のルポルタージュ。
目次
脳マシン
コーヒーでも啜って神に祈ろう
分身
小さなメキシコ
ゴミクズみたく捨てられて
ここはお前たちの土地じゃない
栽培から解体まで
傷めつけたっていいんだよ
猿轡
これはおかしいと思いましたね〔ほか〕
著者等紹介
ジェノウェイズ,テッド[ジェノウェイズ,テッド] [Genoways,Ted]
2003年から2012年にかけ、『バージニア・クォータリー・レビュー』誌の編集者を務める(在任中、同誌は6度、全米雑誌賞を受賞)。現在は『マザー・ジョーンズ』誌の寄稿編集者、『オン・アース』誌の総合編集者を務め、数多くの雑誌に詩とエッセイを発表。全米記者クラブ賞、ジェームズ・アロンソン社会正義ジャーナリズム賞を受賞、全米人文科学基金およびグッゲンハイム財団から研究奨励金を授与される。ネブラスカ州民の四世、現在同州リンカーンに在住
井上太一[イノウエタイチ]
1984年生まれ。2008年、上智大学外国語学部英語学科を卒業。会社員を経たのち、翻訳業に従事。主な関心領域は動植物倫理、環境問題。語学力を活かして国内外の動物擁護団体、環境団体との連携活動も行なう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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