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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
猫路(ねころ)
10
二元論がどうしても不純だと認識できた。男女といい表せない性別。私はシスジェンダーだと普通に感じているはずなのだが、セクシャリティとは股に関係なく頭で考えていると言うこと。母はフルイドなんで髪の結い方も知らないし、スカートも他人に強制されない限り履かない。だから私は子供の頃は母の趣味で少しボーイッシュな格好であった。これはうちらの問題だが。マイノリティという自覚は時に問題点へと繋がるんだなって思った。2023/06/05
ポン・ザ・フラグメント
7
娘の周辺には何人かいるらしい。が、その娘ですら、「クロス」ジェンダーって読むのかと思ってた、と言っていた。世間的にはバイセクシュアルとの取り違えも当分続くだろう。GIDが反対性への志向であるのに対し、Xジェンダーの「男性器が嫌だ/乳房が欲しいわけではない」(もしくはその逆)という否定神学的な在りようは、当分「了解可能」とはなるまい。しかし、複雑化多様化していく現実に対し、一方でEU離脱や大統領選に見られるように、世界を単純化し理解できないものを排除しようとする風潮が世界的に高まりつつある。警戒が必要だ。2016/11/18
アト
6
期待以上だった。隙あらばおすすめしたい本。Xジェンダーには中性・両性・無性・不定性などざっくりした分類はあるが、それ以外の性自認も当たり前にあって、とても網羅できない。共通しているのは「反対側の性別になりたいわけでははない」ことくらいか。「性のグラデーション」という表現はもともと体の性を指して使われたもので、心の性別を表すのに果たして適切かという指摘。ぎくりとした。「その言葉が何を意図して表現した言葉なのか、それはどういう意味で使われているものなのか…」言葉には気をつけているつもりだけれど全然足りないな。2016/12/10
カモメ
5
性別二元論があらゆる場面で前提とされる中で、当事者自身がXジェンダーと認識する事、そして他人に説明する事はとても難しいと思いました。性規範が今よりも弱い社会になれば、彼らの性自認の認識の仕方、タイミングはどのように変わるのか興味を持ちました。性同一性障害とXジェンダーがしばしば比較されていましたが、性同一性障害コミュニティの中で、症状が軽いとしてXジェンダーが下に見られており、SOGIの中でも様々な階層が存在するのだと感じます。海外における概念は日本語に存在しない事もあって理解が難しかったです。2020/01/11
たこぶね
5
「男性でも女性でもない」「反対の性になりたいわけではない」。理解できたかは分からないけど読んで良かった本。後書きの「理解できないことと拒絶は違う」という言葉が印象に残った。性別の話に限らず、皆がこのように思えば揉め事が減りそうだ。自分の性別についてはもうしばらく考えよう。 2018/04/29