内容説明
チェルノブイリ原発事故は、ベラルーシ、ウクライナそしてロシアの国土の大部分、いな北半球の広大な土地をストロンチウム90やセシウム137、そしてプルトニウムで汚染し、数百年から数万年にわたって人々の健康や自然に影響を与え続ける。事故の収束のために動員された膨大な数の兵士や炭坑夫=リクビダートルたちは、次々に放射線障害に倒れ、住民たちの被害も拡大するばかりである。本書は、この惨事の影響を克明に明らかにしているだけではない。IAEA(国際原子力機関)をはじめとする国際原子力ロビーの専門家や各国の政府が事実を穏蔽するばかりか、いかに迫害しているかを白日の下に明らかにする。ここに収録されている膨大な数のインタビューは、チェルノブイリの犯罪を告発しているのである。
目次
第1部 黙殺された知(海に投げられたボトルメッセージ;医学と核権力 ほか)
第2部 知(ヴァシーリ・ネステレンコあるいは物理学者の誠実さ;犠牲にされたリクビダートル ほか)
第3部 投獄された研究(ユーリ・バンダジェフスキー、制御不能の研究者;ユーリ・バンダジェフスキーの知見 ほか)
第4部 民主主義の顔をした収容所の看守(嘘つきヨーロッパ;現場を占拠した無能なフランス人たち ほか)
著者等紹介
チェルトコフ,ヴラディーミル[チェルトコフ,ヴラディーミル] [Tchertkoff,Wladimir]
ジャーナリスト、ドキュメンタリー作家。1935年ロシア移民の子としてセルビアで生まれる。イタリア国籍。現在、スイスはルガーノ近郊に在住。79歳。パリで勉学した後、60年代初頭にイタリアに定住。その後、30年以上、イタリア放送協会(RAI)、そしてルガーノ・スイス・イタリア放送局と仕事をする。70本近いドキュメンタリー番組を制作し、社会、政治、経済分野のテーマを取り上げ、とりわけ権力構造を分析的に表現した。最初の制作は「秋のはずみ」で、1974年、「仕事死」はモスクワ短編映画祭で第一位に入賞。ペレストロイカの到来と共に、ロシア語を話すチェルトコフは旧ソ連圏で12回ほど仕事をする
中尾和美[ナカオカズミ]
東京生まれ。2000年東京外国語大学博士課程修了。博士(学術)。東京外国語大学非常勤講師。専門は、言語学、フランス語学
新居朋子[アライトモコ]
早稲田大学人文学科卒、東京大学仏文学科博士課程中退。元青山学院大学フランス語非常勤講師。2002年から南ドイツに住み、環境保護運動・反原発運動に携わる
髭郁彦[ヒゲイクヒコ]
1961年生まれ。パリ第5大学人間社会学部言語学専攻博士課程修了。中央大学など講師、フリーライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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