内容説明
遺伝子操作が生命の網にどのような影響を及ぼすことになるかは全く分らないし、遺伝子組み換え生物は、いったん環境に入れば、取り除くことはできないし、人類と生命圏全体に新たなリスクを及ぼす。人間の遺伝子操作は、個々人と彼らの子孫の健康に新たな脅威を作り出し、人権、プライバシーおよび人間の尊厳を危険にさらす畏れがある。にもかかわらず科学、医学、企業、政府の各機関は、遺伝子操作を推進し、病気を治し飢える人を養うという約束の美名の下に、生命が急速に特許化されて商業の対象となっている。本書は、私たち人間の権利と人格的完全性と地球の生物学的完全性を保護するために、遺伝子革命の社会的・生物的な意味を評価し、その応用を民主的に制御するために、遺伝子権利章典を提案する。
目次
第1部 生物多様性
第2部 生命特許
第3部 遺伝子組み換え食品
第4部 先住民族
第5部 環境中の遺伝毒性物質
第6部 優生学
第7部 遺伝的プライバシー
第8部 遺伝子差別
第9部 無実を証明するDNAの証拠
第10部 出生前の遺伝子改変
著者等紹介
クリムスキー,シェルドン[クリムスキー,シェルドン][Krimsky,Sheldon]
タフツ大学の都市・環境政策の教授およびパブリックヘルス・家庭医学の非常勤教授。「責任ある遺伝学協会」の創立時の理事会メンバー。これまでに140を超える論文や報告を発表、7冊の著書を出版している。出版された大部分は、遺伝学とバイオテクノロジーの社会的な影響と倫理的意味を主題としている
ショレット,ピーター[ショレット,ピーター][Shorett,Peter]
マサチューセッツ州のボストンでフリーランスのライターとして仕事をしている。経済学と政治の科学に関する様々な雑誌に執筆。「責任ある遺伝学協会」のプログラムの元責任者である
長島功[ナガシマイサオ]
バイオハザード予防市民センター事務局長、ロゴス英語教育研究所長、翻訳家。1950年生まれ。1974年静岡大学人文学部卒業。1983年広島大学大学院地域研究研究科修士課程修了。国際学修士。ルーズベルト大学ジャパンセンター講師、大手予備校等の英語講師、フリーランスの翻訳者を経て現職。専攻:哲学、経済学、社会思想史、環境社会学、環境法学、生命倫理学、科学技術論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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