内容説明
福島原発事故による海の放射能汚染は、世界三大漁場のひとつを確実に殺しつつある。命の母である海の汚染は、膨大な範囲に及ぶと同時に、生態系と人類に対する影響は計り知れない。本書は、福島原発事故による海の放射能汚染を最新のデータで解析、またビキニを初めとする大気圏核爆発、欧州や日本における平常時の再処理工場や原発による海洋の放射能汚染とその影響を、惑星海流と海洋生物の生活史から総括し、放射能汚染がいかに生態系と人類を脅かすかを明らかにする。海洋環境学の第一人者が自ら調べ上げたデータを基に平易に説く労作。
目次
第1章 放射能の放出源と環境中での挙動
第2章 福島原発事故による海洋の放射能汚染―世界三大漁場を汚染する福島事態
第3章 大気圏核爆発による海洋の放射能汚染―惑星海流が運んだビキニ水爆マグロ
第4章 平常時の再処理工事・原発による海洋の放射能汚染―北東大西洋をけがす日本発の「死の灰」
第5章 日本の核施設による海洋汚染
第6章 海洋の放射能汚染の根深い歴史―核文明そのものを問う契機に
著者等紹介
湯浅一郎[ユアサイチロウ]
1949年、東京都生まれ。東北大学理学部卒、同大学院修士課程修了。1975年、通産省中国工業技術試験所(呉市)に入所。2009年まで瀬戸内海の環境汚染問題に取り組む。元産業技術総合研究所職員。専門は海洋物理学、海洋環境学。理学博士。1971年から科学技術(者)の社会的あり方を問う契機として、女川原発を皮切りに、芸南火電、海洋開発など多くの公害反対運動に関わる。1984年の核トマホーク配備反対を契機に、ピースリンク広島・呉・岩国(1989年)、核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(2001年)の結成に参加(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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