内容説明
国にあらゆる財産や仕事を一方的に取りあげられ、あまりに悲惨だからわずかの土地と仕事の糧を与えてやるが、「おまえ達は『旧土人』で無能力だから管理は出先の役人がやってやる」―こうして明治から北海道庁が管理してきたアイヌ民族共有財産。アイヌ文化振興法の成立で返還されることになったが、杜撰かつ不正な管理で、財産は雲散霧消、あるものはこれだけで締めて130万円という。あまりの理不尽にアイヌ民族は不正・不法を訴えるが、行政を弁護する司法の前に裁判は破れる。本書は、アイヌ民族の尊厳と人権を懸けた“百年のチャランケ=談判”裁判闘争の全記録であるとともに、今日の日本国家によるアイヌ民族蔑視・差別の構造を余すところなく明らかにする。
目次
第1部 アイヌ民族共有財産裁判の経過と意義について(アイヌ民族共有財産裁判の経過;裁判の意義および争点について)
第2部 第一審札幌地方裁判所民事第三部(訴状および準備書面;証拠書類;原告意見陳述;札幌地方裁判所判決;原告団声明;全国連(会長松平太郎名)北海道知事宛要求署名)
第3部 第二審札幌高等裁判所第三民事部(控訴状および準備書面;控訴人意見陣述;証人尋問調書;意見書等;札幌高等裁判所判決;北海道知事宛公開質問)
第4部 最高裁判所上告(上告申立;上告人要望書;最高裁判所上告棄却決定書;アイヌ民族共有裁判上告人緊急声明)
付録(平成九年北海道知事公告「北海道旧土人保護法に基づく共有財産の返還手続きについて」;資料・北海道旧土人保護法とその関連規則等;アイヌ民族共有財産裁判経過年表)



