内容説明
2001年9月11日、アメリカン航空77便が米国防総省に突っ込んだ。1941年のその同じ日、ペンタゴン=「戦争の家」の起工式が執り行われた。このアメリカの戦争マシーンが、第二次世界大戦、原爆投下、核の支配、冷戦を通じて、いかにして合衆国の主権と権力を簒奪し、軍事的な好戦性を獲得し、世界の悲劇の「爆心」になっていったのか?本書は「戦争の家」と「核」、そしてアメリカの上になおも荒れ狂う「戦争」に関する物語である。そして、その力に歯止めをかけようとして挫折した多くの人びとの証言の記録である。
目次
第1章 1943年ある週の出来事(地獄の底;無条件降伏 ほか)
第2章 絶対兵器(「トルーマンの決断」;スティムソンの弁明 ほか)
第3章 冷戦、始まる(軍務に就く;スティムソンの「9・11」 ほか)
第4章 現実化する被害妄想(スターリンの牙;水爆への「ノー」 ほか)
第5章 転換点(「家」の日々;ベルリンの悪戯 ほか)
著者等紹介
キャロル,ジェームズ[キャロル,ジェームズ][Carroll,James]
1943年1月22日、米国シカゴのアイルランド系カトリックの家庭に生まれた。空軍でのキャリアを目指すが、ジョージタウン大学在学中、カトリックの聖職者への道に転じ、セントポールズ・カレッジで学んだあと、ボストン大学づきの神父となった。この間、ベトナム反戦運動に参加する一方、小説、詩、戯曲を書き始め、遂にはカトリック聖職者の地位を離れ、作家活動に専念するようになる。ジャーナリスト(コラムニスト)としても活動しており、ボストンの新聞、『ボストン・グローブ』紙にコラムを執筆している。ボストン在住
大沼安史[オオヌマヤスシ]
1949年2月、宮城県仙台市生まれ。東北大学法学部卒。1971年、北海道新聞社に入社し、社会部記者、カイロ特派員、外報部・社会部デスク、論説委員を歴任し、1995年に中途退社。2009年3月まで、東京医療保健大学特任教授。同年4月、仙台へ帰郷。個人ブログ、「机の上の空」「教育改革情報」を開設(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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