内容説明
本書は、サダム・フセインによる1990年のクウェート侵攻、湾岸戦争とその後の国連制裁―この10年間にわたるイラクの現代史を、国際的に著名な2人のジャーナリスト、コバーン兄弟が、中近東とアメリカをそれぞれに取材して得られた、複雑で多様な興味深い事実とともに報告する。日本では報道されることがなかったサダム統治下のイラクで展開された戦乱と悲劇、アメリカのCIAなどの国際的策謀などが克明に描かれている、非常に質の高いイラクのインサイド・レポートといえる。イラク占領に続く現在の混沌を理解する上で不可欠な本である。
目次
奈落に堕ちたサダム
「サダム・フセインはまだ生きている」
サダム・フセインの原点
大量破壊兵器に走るサダム
「代価はイラク人が払う」
ウダイと王族
山中の陰謀
裏切り者に死を
「サダムの首を持って来い」
サダム北上す
ウダイ撃たれる
大団円
著者等紹介
コバーン,アンドリュー[コバーン,アンドリュー][Cockburn,Andrew]
アイルランド人ジャーナリスト。1947年、ロンドン生まれ、アイルランドのコーク郡に育つ。オックスフォードのウォーセスター・カレッジ卒業。アメリカに移り、『ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス』に中東問題について連載したほか、PBSテレビのドキュメンタリー『置き去りにした戦争』を共同制作した。また『ナショナル・ジオグラフィック』誌に「21世紀の奴隷」を連載、現代世界の新しい奴隷状況に光を当てた記事が評価されている。『カウンター・パンチ』にも連載している。米国の政治批評誌『カウンター・パンチ』の編集人を務める
コバーン,パトリック[コバーン,パトリック][Cockburn,Patrick]
1950年生まれ。アイルランド人ジャーナリスト。1979年から、『フィナンシャル・タイムズ』『インディペンデント』の特派員として、中東問題の取材を続ける。1991年の湾岸戦争では数少ない西側記者としてバグダッドに踏みとどまり、現地から報道を続けた。2003年に始まった「イラク戦争」でもイラク国内にとどまって、果敢な報道を続けている
神尾賢二[カミオケンジ]
1946年大阪生まれ。早稲田大学政経学部中退。映像作家、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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