内容説明
本書は「旧日本軍が中国で何をどのように行なったのか」を、加害将兵らの証言を通じてを明らかにする。なぜ多くの日本人青年が数々の蛮行を起こすに至ったのか、後にどのような過程を経てその罪を深く悔いるようになったのか―生々しい、慟哭と悔恨の告白が示す衝撃の事実…。初版刊行後4年が過ぎ、日本の進路が「いつか来た道」の様相を露わにするなかで、増補改訂版では、本書の証言者たちに現在の思いを取材した。
目次
第1部 中国へ「帰郷」した日本人戦犯たち
第2部 時代に翻弄されて
第3部 出世のためか、天皇のためか、憂さ晴らしのためか
第4部 憲兵、軍医、そして七三一部隊
第5部 将校の矜持
第6部 彼らはなぜこのようなことをしたのか?
第7部 日本はどこへ向かうのか
著者等紹介
星徹[ホシトオル]
1960年、神奈川県生まれ。新聞社勤務の後、塾講師を経て、フリーのルポライター。哲学者・牧野紀之氏が主宰する私塾・鶏鳴学園で学ぶ。「最後の認罪」で、第4回「週刊金曜日ルポルタージュ大賞」報告文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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n.urabe
11
『図書館』ショックです。当時の日本兵の悪の所業の数々。きっと真実なんだと思います。法や人間性も何かも忘れられるような無法地帯。中国の農民を民兵だと決め付け、憂さ晴らしや存在誇示の為に実的刺突し殺害。昔から、前に習えの精神で、悪を蔓延らせるのが上手いと思った。洗脳・天皇・大日本帝国。いいも悪いも、思考回路が働かない。当時の中国農村地帯での一部の日本兵に対して、激しい憤りを感じる。2012/12/19
星辺気楽
2
今、「イスラム国」の蛮行がマスコミネタになって国民が「右にならえ」になっているけれど、70年以上前の日本は、「イスラム国」以上のことを戦場で行っていたことを知る人は少ない。加害の体験者(中帰連の方々を含む)が少なくなってきた今こそ、このようなルポにきちんと国民は目を通さないといけない。 2015/02/14
goldius
1
中国への侵略戦争の加害将兵の告白をまとめたもの。初年兵時の実的刺突訓練(人形ではなくて拉致した中国人を銃剣で刺して殺す訓練)は、どの将兵も同じようなエピソードになるのだから、星徹の責任でばっさり減らしても良かっただろう。2004/01/13