内容説明
アイヌのエシカ(長老)武利誠、一九二九年に釧路のハルトリ(春採)に生まれる。八〇年をこえるその人生は、差別と迫害、貧困と向きあった苦難の道程であった。このエシカの語りを主軸に、今なお先住民族としての権利は回復せず、同化政策に曝されているアイヌの現状を、現地取材と歴史的考察で描く。
目次
1 あるエカシの記憶(幻影の釧路川左岸;見捨てられた“土人部落”;「そよかぜ団」;内なる劣等感との決別)
2 突きすすむ「同一化列車」(消滅した集落;官主導のアイヌ団体;手垢のついた日誌;お為ごかしの「ウタリ対策」)
3 アイヌのことはアイヌで(エカシの怨声;「物乞い主義」からの脱却;共同浴場からみえる曙光)
著者等紹介
堀内光一[ホリウチコウイチ]
1949年、北海道阿寒町(現・釧路市)に生まれる。地方紙記者などをへて、現在ルポライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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