内容説明
これまで教育現場・啓発書などで通説となっていた、「武士が農民の不平・不満をそらすためにえた、ひにん身分をつくった」という近世政治起源説は、なぜ否定されなければならないのか。本書は日本の賎民(被差別民)の形成・成立・確立・解体を日本の歴史の展開のなかに問い直している。そして、「近代日本社会でどのようにして、社会問題としての部落問題が成立したのか」を考察し、「日本の近代化のどこに問題があったのか」を論じている。さらに今日の部落差別の現実を再度検証している。
目次
日本の近代化と現在の差別とは、どのようにつながっているのですか?
部落問題はどのような特質をもつ、どのような差別問題ですか?
被差別部落は全国でどのくらいあるのですか?
東日本での被差別部落には、どのような特色があるのですか?
関東・東北・北陸の部落は、どうなっているのですか?
被差別部落はもともとどのようにして形成されてきたのですか?
日本列島で支配する者・される者は、どのようにして成立したのですか?
大和政権が成立すると、どんな身分制になったのですか?
古代賎民と中世賎民とは直接的な系譜関係はないのですか?
中世社会で差別されたのは、どんな人々だったのですか?〔ほか〕
著者等紹介
小松克己[コマツカツミ]
1951年・秋田県生まれ。埼玉県・高校教員。歴史教育者として、部落、朝鮮・韓国、沖縄、アイヌ、地域史に問題関心をもちつつ、今日にいたる。現在、高校日本史教科書の編集・執筆にたずさわっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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