内容説明
グローバリゼイションの名の下に、先進国とりわけ欧米諸国は、WTO(世界貿易機関)を媒介に「特許獲得」と「遺伝子工学」という新しい武器を巧みに使って、第三世界を再植民地化しようとしている。これはコロンブス以来行なわれてきた植民地政策の究極の形である。グローバル化は、長い時間をかけて世代を通して培われてきた「地域固有の知識」の価値を否定するばかりでなく、生命自体をも植民化しようとしている。市民は生物学的多様性と文化的多様性を守るために立ち上がらなければならない。世界的な環境科学者・物理学者の著者による反グローバル化の思想。
目次
Introduction 特許戦略により略奪行為:コロンブスの再来
1 知識・創造性・知的所有権
2 生命の創造と所有は可能か:生物多様性を再定義する
3 種子と大地
4 生物多様性と人々の知識
5 生命特許の波紋
6 多様性によって平和を築く
7 非暴力と多様性の育成
著者等紹介
シバ,バンダナ[シバ,バンダナ][Shiva,Vandana]
環境問題、女性解放問題、国際問題に関する世界でも最もエネルギッシュで挑発的な女性思想家のひとり。物理学者、環境科学者、平和運動家。1993年、もうひとつのノーベル賞としても知られているライト・ライブリーフッド賞を受賞。「科学・技術・環境科学のための研究基金」の理事を務める
松本丈二[マツモトジョウジ]
筑波大学生物学類卒。マサチューセッツ大学アマースト校化学部卒。コロンビア大学大学院博士課程生物科学部卒(Ph.D.)。ケンブリッジ大学医学部研究員を経て、神奈川大学理学部生物科学科助手。専門は嗅覚の分子神経生物学。蝶を愛するナチュラリスト
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感想・レビュー
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塩崎ツトム
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