内容説明
女性国際戦犯法廷の審理からおよそ一年後の2001年12月、オランダのハーグで判決が下された。「慰安婦」制度および戦時性暴力にどのような法が適用されるのか注目された判決は、英語原文で265頁、1094パラグラフにおよぶもので、サバイバーの証言とこれまでの歴史研究の実績に基づく事実認定が行なわれ、国際法のもとでのジェンダー正義が綿密に検討された画期的な内容であった。本書は、「法廷」に提出された起訴状と、この民衆法廷の成果の結実である判決全文を翻訳し、収録したものである。2001年度山川菊栄賞特別賞受賞シリーズ。
目次
第1部 起訴状(日本軍性奴隷制を裁く二〇〇〇年女性国際戦犯法廷共通起訴状;各国起訴状)
第2部 判決文(序文と裁判の背景;事実の認定;適用可能な法;個人の刑事責任;法的認定と判決;国家責任;賠償;結論)