内容説明
2000年12月、東京で「日本軍性奴隷制を裁く2000年女性国際戦犯法廷」が開かれた。9つの国や地域から来廷した60人を越す被害者(サバイバー)たちにより、日本軍によるすさまじい性暴力被害の実態が次々と証言され、傍聴者を圧倒した。最終日、4人の判事たちにより「沈黙の歴史を破って」と題された認定の概要が読みあげられた。それは、サバイバーたちの声が法のもとへ届いた初めての瞬間だった。本書では、4日間の女性国際戦犯法廷の模様を克明に記録した。また同時に、この「法廷」がもたらしたものは何であったかを、いくつかの主要な点から論じた。2001年度山川菊栄賞特別賞受賞シリーズ。
目次
第1部 ドキュメント女性国際戦犯法廷(法廷一日目;法廷二日目;法廷三日目;報告 「法廷」とVAWW‐NETジャパン調査チーム・ビデオ塾の役割)
第2部 女性国際戦犯法廷の意義と展開(女性たちが歴史を創った、歴史を変えた―ジェンダー視点に立つ民衆法廷としての女性国際戦犯法廷;女性国際戦犯法廷が映し/創り出したもの―国際法学の地平;民衆法廷としての女性国際戦犯法廷―「適正手続」の保障の有無という観点から;女性国際戦犯法廷は何を再審したのか―二つの「憲章」を読む;裁かれた戦時性暴力とフェミニズムの課題)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tellme0112
2
追記。加害の証言が載っている。すごいことだな。犯罪の限りを尽くし、それが黙認されていた。どうせ殺すんだからと。人間はここまで非人間的なことができるのか。若い男たちにそれをさせるための存在が少女たちだったんだなあ。上の人間は、意図してこのシステムを作った。このシステムを、男は、許容できるのか?「モノのように扱われた」とサバイバーのおばあちゃんたちは言う。それは、兵士もそうだったろう。生命が軽い、軽視される空気は、危ないと思う。2014/03/14
tellme0112
0
精読は精神的にきつすぎて無理で、流し読み。今年の国際女性デー中央集会の講演者のフーさんの名前をこの本の中に見つけたてうれしかった。裏方の苦労がにじみ出るような話。戦後賠償ではなくて、犯罪を裁く。被害者はサバイバーとして、その後の人生も、当時のの苦しみが今もなお続いているということを認識した。知ってたんだな、あるいは、知らないとは言い訳できない地位にいたんだな、天皇は。黙認だったんだな、数々の犯罪を。これを反省しなければ、世界のどこかで子どもたちがまた被害にあうだろう。2014/03/12
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