内容説明
本書で取り上げるのはとりわけ環境保全、つまり、「共同遺産」としての自然や地球の保全についてであるが、それらは本質的に次のような社会的で政治的な観点から分析され議論される。経済発展を「永続可能」なものにする―生活できる、調和のとれた美しい地球に対する将来世代の権利を侵すことなく、もっとも貧しい人々を始めとする現在世代の人々の欲求に応えられるようにする―には、どのように方向転換していくべきなのだろうか、ということである。フランス緑の党の幹部でジョスパン首相の経済政策スッタフでもある経済学者の著者によるエコロジストの政治思想と政策理論の入門書。
目次
第1章 科学的・政治的エコロジーから永続可能な発展へ
第2章 倫理的で政治的な性格をもつ景観
第3章 エコロジー危機の歴史
第4章 地方的なエコロジー危機をどのように調整するか?
第5章 地方的エコロジー危機の全般化を防ぎ、世界経済を制御する
第6章 地球規模の政治的エコロジー:地球温暖化を中心にして
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Saiid al-Halawi
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フランス緑の党の政治家の手になる本書。その提言には思っていたほどのラディカルさは無く、そこから伺える視座も読み手のこちらがびっくりするほどの現実性を持っている。社会的問題の解決なしには環境問題は解決しない、という著者の主張は、その重要性にも関わらずまだまだ受け入れられていないように思う。2011/01/28
Yoshi
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フランス緑の党の経済問題専門家の方の本だが、現在言われているSDGsと近い事を言っている。 とはいえ2000年辺りの本なので、SDGsが抱えてる問題点は今の方が浮き彫りになっており、そこを年代ゆえか補完しきれない内容で基本的な問題点が何かを知りたい人にはお勧めできるが、新しい事は特に言われていないのでそういう方はまた別の本を薦める。 現実問題、経済と環境の相性はすこぶる悪く、どちらが欠けてもなのでそのバランスを上手に取るような考え方があるといいと思ってしまうがそれはこの段階では何も言われていない、、2022/07/12