出版社内容情報
演劇に魅せられて
50余年にわたる演劇紀行と演劇人との交流、
歌舞伎から現代演劇まで幅広いジャンルを論じてきた著者による演劇批評集成。
人名、作品名、劇場・劇団名索引付き
舞台を観て、一晩寝れば、その記憶は消え去るものでしょうか。いえ、時間とともに発酵して、その経験は心に沈んでいきます。上演された時代とその空気が、やがて観客の血となり肉となるのが、演劇のおもしろいところです。
演劇は現実の世界に開かれた窓として、今を生きています。(「あとがき」より)
【目次】
第一部 演劇の神々
1 砕けた鏡 蜷川幸雄
2 花の下にて春死なん 野田秀樹 中村勘三郎
3 英国の演出術 デヴィッド・ルヴォー
4 大女優 大竹しのぶ
5 暗黒の美 三島由紀夫
6 晴れやかな心 尾上菊五郎
7 民主主義と自由 永井愛
8 夏のフェスティバル 串田和美
9 舞台とテクノロジー ニコ・ホロニクス
10 心の叫び ヘンリック・イプセン
11 京都の音空間 ダムタイプ
12 女方が舞台で食べるということ 市川亀治郎
13 闇の深さ 前川知大
14 夜は若く、彼も若かった つかこうへい
15 声の津波 野田秀樹
16 原作のある演劇 蜷川幸雄
17 今日は墓参り 坂東三津五郎
18 劇場閉鎖 小曽根真
19 舞台写真 蜷川幸雄
第二部 劇の台詞 人間の言葉
20 妻と夫の日曜日 岸田國士
21 ロマネスク 唐十郎 Ⅰ
22 知と笑いと トム・ストッパード Ⅰ
23 防空壕の闇 秋元松代
24 数理哲学の亡霊 マ イケル・フレイン
25 書いては書き直し ニール・サイモン
26 崩壊したコミュニティ ソーントン・ワイルダー
27 糸の切れた凧 清水邦夫
28 演劇によって世界を変える ア ーサー・ミラー Ⅰ
29 成功の罪悪感 アーサー・ミラー Ⅱ
30 墓場と教室 渡辺えり
31 獰猛なる欲望 テネシー・ウィリアムズ
32 ニューヨークのサイレン トム・ストッパード Ⅱ
33 笑いは真実へと至る ケラリーノ・サンドロヴィッチ Ⅰ
34 偏愛 ケラリーノ・サンドロヴィッチ Ⅱ
35 リアルということ 別役実 Ⅰ
36 アングラ演劇の精髄 唐十郎 Ⅱ
37 ブルックリン橋 ア ーサー・ミラー Ⅲ
38 言葉の手妻師 別役実 Ⅱ
39 人類の暴力性 エドワード・オールビー
40 荒ぶる魂 三好十郎
41 毒 ア ルベール・カミュ
42 追悼 唐