出版社内容情報
ミステリ評論家・横井司氏絶賛!論創ミステリ大賞」堂々の受賞作!
大手デベロッパーのエースだった吉沢は、プロジェクト失敗の責任を負わされて左遷。今回さらに宮古島に配属。翌日、高級別荘地の大型案件を一手に引き受けていた同僚が水死体で発見された――。
内容説明
大手デベロッパーのエースだった吉沢は、プロジェクト失敗の責任を負わされて左遷。今回さらに宮古島支社に配属。翌日、高級別荘地の大型案件を一手に引き受けていた同僚が水死体で発見された―用地買収をめぐる人間模様とSNSの闇、その奥から姿を現した事件の真相とは?「論創ミステリ大賞」堂々の受賞作!
著者等紹介
小里巧[コザトタクミ]
静岡県生まれ。早稲田大学卒業。仕事のかたわら、2010年頃から小説を書き始め、文学賞に投稿して作風を模索。2023年、満を持して本作を執筆し、第2回論創ミステリ大賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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rosetta
36
★★★★✭第二回論創ミステリー大賞。ミステリーの部分は割とあっさりしているがその分人間ドラマに力を入れている。読む人によっては退屈かもしれないが自分は大いに楽しんで読んだ。もしかしたらこの人は池井戸潤みたいに化けるかも?大デベロッパで失敗の責任を負わされ宮古島のリゾート開発の支社に飛ばされた吉沢。最後に残った地権者は吉沢の大学の同級でかつてのIT長者から堕ちネットで悪魔の子と叩かれた神谷だった。買収担当者が台風の日に殺され会社の悪評の証拠と犯人を探すうち…纏められた人間関係が見事に着地。会社勤めは怖いよお2024/04/12
だるま
15
第2回論創ミステリ大賞受賞作。大手デベロッパー会社でエースだった主人公が、社運を賭けたプロジェクトで失敗し左遷され、宮古島の支社に転勤になる。そこでは高級別荘地を建設する重要な案件が進行中で、主人公が訪島した日、責任者だった同僚が殺される事件が起こる。土地の買収で島民の大勢から恨まれていた同僚を殺したのは誰か? 主人公が犯人探しをする物語。何かねえ。会社の体質とか社員の腹の探り合いとか、全体的に題材が古めかしい。SNSや偽メールがかろうじて今っぽいだけ。会話体は不自然だし、謎解きにも魅力が無かった。凡作。2024/02/21
はじめさん
13
》不倫で左遷されたNHK元アナが「ミステリ大賞」受賞…覆面小説に綴った恨み節の数々 の、Yahooトピックで気になり手に取った。大手不動産デベロッパーでエースとして鳴らした男。コロナ禍で頓挫したプロジェクトの全責任をなすりつけられ、閑職で臥薪嘗胆…ついに宮古島リゾート開発チームに副社長としてカムバック、最後の土地に居座っていたのは、かつてIT長者・時代の寵児としてもてはやされた同い年の男。売ってもいいが、其方の会社が詐欺まがいで土地を買い漁った疑惑を晴らしてからという条件下、交渉役となっていた社員の不審死2024/04/20
練りようかん
10
論創ミステリ大賞きっかけ。左遷された地で主人公を待っていたのはあからさまなヨイショと当て擦り。いい職場に思えず気持ちは暗くなるが、その前のプロローグで同僚の死が書かれているので、誰なのか懐中電灯で照らしながら読むイメージ。被害者判明、早い段階で犯人も推測できるが事は単純でなく、内部告発や経緯を共有していた人物も割り出す必要が。それは本社復帰を駄目にする可能性もあって前も後ろも塞がる会社人間の悲哀をひしひし感じる展開だった。IT分野が濃く絡んでいるのに時代小説でも内容的にいけると感じた不思議さが良かった。2024/08/01
オオイ
5
東京本社でのプロジェクトに失敗し宮古島のリゾート企画へ左遷された男が同僚の殺人死とリゾート開発の裏側について調べる、サラリと読めて面白かった。2024/04/07