出版社内容情報
返済の約束は再三にわたって破られたが、その日には間違いなく入金される予定であった。銀行に入金を確かめるため、玄関を出ようとしたその時、電話が鳴った‥‥。
受話器をとると、その男は「警視庁の者」だと名乗り、金を貸している「相手の名前」を告げ、「知っているかどうか」を訊ねてきた。---それが、事件の始まりであった。
内容説明
大金を失った女将の実話ミステリ!詐欺師の本性と二転三転の真相。信じてしまう心が招いた災いと苦悩を描く。
著者等紹介
笹倉明[ササクラアキラ]
作家・テーラワーダ僧。1948年、兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒。1980年、『海を越えた者たち』(第四回すばる文学賞入選)で作家活動へ。1988年、『漂流裁判』でサントリーミステリー大賞(第六回)、1989年、『遠い国からの殺人者』で直木賞(第101回)を受賞する。2016年、チェンマイの古寺にて出家し、現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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えみ
57
これは間違いなく詐欺の記録だ。詐欺にあった多くの人が困惑と怒りに打ち震える様を記録する一冊。まさかこの人が詐欺師だったなんて!という意外性と、そうだと思っていた。と納得される二面性を持ち合わせる人物の強かな犯罪。詐欺師に振り回された人々が失いながらも得たものに焦点が当たるストーリーの後半はそれぞれの困難に立ち向かう為人が興味深く描かれる。お金さえ手に入れば、嘘に塗り固められた嘘をつき通し続ける人生も幸せだと思えるのだろうか?人の好さに付け込む詐欺師の卑劣さに憤りしか感じない。人望ある酒場の女将の詐欺記録。2023/10/26
としき
2
タイトルからして、どんな大どんでん返しがあるのか!ワクワクしながら読んだが…ちょっと期待外れ!詐欺被害者の立場から、信じていたものに裏切られた気持ちは赤裸々に語られていたが、逆に加害者(詐欺師)がどんな気持ちで人を騙し、罪を認めた後についても被害者に対して、どんな気持ちだったのかも語られれば、もっと展開が面白かったのではないか?読みやすい本だったが、これならTVドラマ仕立ての方がいいかもしれない。2023/12/21
*☆*:; 花*はな :*☆*
2
★★★☆☆2023/12/20
やす
0
「あれっ、オチは?」って思ったけど、ほぼノンフィクションみたいな本だったのね😀2025/01/25
yumi
0
詐欺にはあわないと思っていても、あってしまうもの 小さな詐欺にあっていても実はまだ気が付かないだけなのかもと思ってしまいました2024/09/26