出版社内容情報
私的アングラ小劇場五五年史 疾走をやめない流山児祥の不動の裸眼がここにある。観客席の薄暗闇から見る人、見つづけてきた人、流山児のたしかな息づかい。これまでに類を見ない、正確無比な同時代演劇のクロニクル! ---- 佐藤 信
流れてはるか山だしの児、喪明けの祭りを祥いと、囃(はや)して生きた演劇の歴志を語る。それ道真(みちざね)の雷ぞ虞(おそ)るべし。---- 北村 想
内容説明
わたしは世阿弥の「初心、忘るべからず」と、一所不住(在)の思想「住するところなきを まず花と知るべし」を座右の銘にして生きてきた。齢七十を過ぎても、まるで鮪のように絶えず動き続け、老いの花を捜しつづける芝居者でありたいと願っている。(「まえがき」より)
目次
1 演劇修行時代―アングラ四天王との出会い
2 七〇年代小劇場の同走者たち
3 小劇場演劇の変質
4 世界史の大転換の中で―一九九一~二〇〇三
5 二一世紀の入口で―二〇〇一~二〇一一
6 演劇志をいかに継承するか
著者等紹介
流山児祥[リュウザンジショウ]
演出家・俳優・声優・プロデューサー、流山児★事務所代表、日本演出者協会理事長。1947年11月熊本県荒尾市生まれ。青山学院大学で全共闘運動を体験。その後、状況劇場(唐十郎主宰)、早稲田小劇場(鈴木忠志主宰)を経て1970年演劇団結成。1984年小劇場演劇の横断的活動を目指し流山児★事務所設立。第二次小劇場世代のリーダーとして50余年を疾走中。数多くの話題作を国内外で上演。1986年映画『血風ロック』ヨコハマ映画祭自主製作映画賞受賞、2000年ビクトリア国際演劇祭グランプリ、第44回紀伊國屋演劇賞団体賞、第7回倉林誠一郎記念賞、第11回飛田演劇賞最優秀前衛賞、2013年ビクトリアフリンジ演劇祭ベストアンサンブル賞、2018年台湾台新藝術賞入選など受賞多数。2017年から一般社団法人日本演出者協会理事長に就任。2018~2019年、国立台北藝術大学客員教授など次世代演劇人の育成に務めている
西堂行人[ニシドウコウジン]
演劇評論家。明治学院大学文学部芸術学科教授。2023年3月で退職。1954年10月、東京生まれ。早稲田大学文学部(演劇専修)卒。同大学院中退。1978年から劇評活動を開始。60年代以降の現代演劇を中心に、アングラ・小劇場ムーブメントを理論化する。80年代末から世界演劇にも視野を広げ、韓国演劇及びドイツの劇作家ハイナー・ミュラーの研究。90年代以降は大学で教育に関わる。「世界演劇講座」を2006年から兵庫県伊丹市で開講(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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