出版社内容情報
元・気象庁予報官が描く自然災害ミステリ!台風による豪雨で土砂災害が発生し、ひとつのニュータウンが消失した。復旧現場から発見された一家四人の惨殺遺体。防災ジャーナリスト名取陽一郎が現場に立ったとき、真実への扉が開かれる――!
内容説明
台風による豪雨で土砂災害が発生し、ひとつのニュータウンが消失した。復旧現場から発見された一家四人の惨殺遺体。防災ジャーナリスト名取陽一郎が現場に立ったとき、真実への扉が開かれる―異彩を放つ!真相解明の新たなロジック。
著者等紹介
小早川真彦[コバヤカワマサヒコ]
1961年大阪府大阪市生まれ。元気象庁予報官。日本大学法学部法律学科第2部卒業。在学中の1984年に気象庁入庁。津、前橋、熊谷の各地方気象台で、予報官として予報業務に従事したのち、2019年早期退職し、執筆活動に専念。2020年「小説野性時代新人賞」最終候補。2022年『真相崩壊』が第1回「論創ミステリ大賞」最終候補となり、2023年『真相崩壊』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パトラッシュ
97
大雨による土砂災害が頻発する昨今だけに、一家惨殺事件の現場が山崩れで消失したとの設定がタイムリーか。親を失った少年少女に映画を撮影していた学生、事故を取材した記者ら当時の関係者が、吸い寄せられるように15年後の現場へと集まって事件の謎を解いていく。駆け回って情報を集めては推理を重ね真相へ辿り着く展開は面白いが、カタルシスのかけらもない黒歴史は暴かなかった方がよかったと思える。探偵役のプライベート描写も手厚いが物語と遊離している感が拭えず、サスペンスや人間的苦悩も感じられない。小説としての構成力に難ありか。2023/07/28
ma-bo
87
著者は元気象庁予報官。「論創ミステリ大賞」の最終候補になった作品で、今作がデビュー作との事。ご自身の仕事の知識や経験を活かしたであろうと思われる。15年前に台風による大規模土砂災害〈深層崩壊〉で多数の被害者が出たニュータウン。その中で災害に遭う前に刃物で傷つけられたと見られる家族の遺体が発見された。当時の地元の高校生でその経験から防災ジャーナリストになった主人公が真相を追う流れに。過去の恋人との恋愛要素が話の筋に絡むが描写が古臭く感じる。著者は60代の方なので仕方ないか💦深層と真相をかけてるよね題名😄2023/08/21
だるま
16
『第1回論創ミステリ大賞』の最終候補になった作品。大賞受賞作でも無いのに刊行されたのは、それだけ実力を認められたからだろう。確かに硬派なミステリで読み応えがあった。一家惨殺事件が起こるが、その現場は大規模な土砂災害で地中に埋もれ消失する。同時に手掛かりも無くなってしまったこの事件の真相が掴めるのか? 探偵役は防災科学研究所の所員。ノンフィクション作家でもある彼が、題材にしようと関係者に取材し捲る。誰もが彼に協力的なのが不自然だけど、推論を展開して真相に辿り着く過程が面白かった。自然災害の知識も増やせた。2023/07/11
はね
3
元予報官が書いたミステリー。一家殺害が見つかったが土砂災害で証拠は流されてしまった。純愛もあり、いろいろてんこ盛りの感は否めないがおもしろかった。朝日新聞5/27の「人」で作者が紹介されていて、小説賞に応募し続けて一等賞には成れなかったが、この本を出版してもらえたとのこと。次回の気象ミステリーが楽しみ2023/08/21
あきら
1
台風による大規模な「深層崩壊」が起こる直前、ある一家が惨殺さてれいたことが判明。現場も証拠もすべて土砂と共に流されて真相は不明なまま憶測だけが飛び交う。その災害で両親を失い災害研究者となった名取が、事件の真相をかつての恋人や地元のジャーナリストと炙り出す。現場が存在しない中、外からのアプローチでどれだけ真実を明らかにできるか未知数ではあるだろうけど、新たな証言を手に入れるのも、災害から立ち上がるのも時間が必要なのかなと思う。2025/02/24
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