出版社内容情報
19世紀末ヨーロッパの混沌を生き抜き、20世紀現代演劇を主導した異端児ストリンドベリの衝撃的な自然主義悲劇!
オリジナル原稿による新全集版を注釈付きで新たに翻訳。
内容説明
19世紀末ヨーロッパの混沌を生き抜き、20世紀現代演劇を主導した異端児ストリンドベリの衝撃的な自然主義悲劇!オリジナル原稿による新全集版を注釈付きで新たに翻訳。
著者等紹介
毛利三彌[モウリミツヤ]
成城大学名誉教授(演劇学)。文学博士、ノルウェー学士院会員、元日本演劇学会会長。主著書:『イプセンのリアリズム』(日本演劇学会河竹賞)ほか。主訳書:『イプセン戯曲選集―現代劇全作品』(湯浅芳子賞)ほか。主な演出:イプセン現代劇連続上演演出(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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松本直哉
27
夏至祭の夜(主人公のフランス名ジャンは聖ヨハネだろうか)の夜中まで明るい夜の乱痴気騒ぎ、そこから生まれる身分違い同士の恋という筋書きは、シェイクスピアの『夏の夜の夢』を想起させる。あちらでは恋人たちが結ばれるハッピーエンディングだったけれど、こちらは、伯爵の帰還を告げる呼び鈴の音と共に夢から覚めると、きびしくつらい現実が待ち受けている。脱出への希望は繰り返し語られるが、それは畢竟血塗られたものにならざるをえない。自然主義演劇などというわかったようなわからないようなラベルを剥がせば、純粋に劇として面白い。2024/08/27
のうみそしる
1
登場人物の一貫した性格なんてものはなく、その時々で変わる考え方や振る舞いが人間っぽい。鳥の死骸に相対する場面が文学的にも演劇的にも至上のシーン。「わたしの子宮がおまえの種をほしがったからって、おまえを愛してると思ってるのね」生理、夏至の祭り、教育、いろんな要因が重層を成して悲劇へとまっしぐら。かといってリアルだなーというだけでなく寓話的でもある。不思議な魅力。翻訳がとても考え抜かれている。2024/11/17
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