出版社内容情報
カーティス・エヴァンズはMasters of the“Humdrum”Mysteryで、本書をロードの「一九二〇年代の謎解きのベスト」と呼んでいる。ロードの代表作の一つと言っていいだろう。(「訳者あとがき」より)
内容説明
思わぬ陥穽に翻弄されるプリーストリー博士。仕組まれた大いなる罠を暴け!…
著者等紹介
ロード,ジョン[ロード,ジョン] [Rhode,John]
1884年、英国生まれ。本名セシル・ジョン・チャールズ・ストリート。別名義にマイルズ・バートン、セシル・ウェイ。1927年、“A.S.F”でミステリ作家としてデビュー。25年に発表した“The Paddington Mystery”以降、多数のミステリ作品を発表し、ディテクション・クラブの主要メンバーとしても活躍した
渕上痩平[フチガミソウヘイ]
英米文学翻訳家。海外ミステリ研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
10
窒素合成等の化学工業機械製造会社が二代目当主の横暴に遭い、子飼いの技術者の解雇等危うい方向に向かう。会社関係者は恐慌を来すうち、その当主が郊外の自宅に向かう途中で殺される。近代警察黎明期とはいえ犯罪学を余技とする学者が警察に個人的とは言え依頼され捜査に介入する。彼は約束どおり神の如き推理で事件を解決する。この種の小説は忌避する処、長からざる本をつい読み終えた。本作犯人の犯行は、自身及び回りの破滅も生じかねないリスクを孕みしかも法廷操作を想定した綱渡り。しかし初期探偵小説にもこういう幕引きパターンがあった。2022/09/25
やっす
7
ジョン・ロードの初期を代表する作品との事だが、正直なところ、言われている程ではないかなと。事件の内容には、結構ワクワクできたし、作者の狙いというか仕掛けも悪くないとは思うけど、犯人が早々に明かされてしまい、以降は倒叙ミステリみたくなってしまうのと、ある程度ミステリを読みなれた読者なら、全部ではなくともトリックや真相に見当がついてしまうだろう点が辛い。まるっきり面白くなかった訳ではないので、これに懲りずに翻訳が続いてくれるといいなぁと思います。何だかんだで、ジョン・ロード好きなので。2024/11/17
とし
1
”どんな難事件も名探偵がズバッと解決”に食傷気味だった自分にとっては、この結末はある意味清々しい気持ちで楽しく読み終えた(ただしガイの件を除く)。2024/08/07
チェス
1
ミステリ王道、楽しめた2023/11/13