内容説明
自治会の歴史と役割。「自治会」はなぜ存在するのか?自治会長をつとめた2人は、自治会の実態は「行政の下請け」であると語り、その仕組みも「大政翼賛会」を下敷きにしていると論破する。
目次
我々はいかにして自治会長となりきか
自治会の将来的イメージ
自治会の定義
戦後史の中の町内会と自治会
大政翼賛会のこと
1940年代の事件と生活
部落会について
自治会は30万を数える
日本の1990年状況
地域社会のモデル〔ほか〕
著者等紹介
小田光雄[オダミツオ]
1951年生まれ、静岡県西部地区の自治会長を実質的に2年務める
中村文孝[ナカムラフミタカ]
1950年生まれ、埼玉県南部地区の自治会長を5年務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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古本虫がさまよう
5
年功序列というか、先住民(順)で「自治会会長」となったお二人による日本自治会論。戦前からの町内会がルーツとなるようだが、その町内会が大政翼賛会あたりとなんとなく合流するような感じになると、そこに「全体主義」的色彩が出てくることになる?吉本隆明氏の『「反核」異論』が引用紹介もされている。昔、感銘を持って読んだ本だが、この中で1980年代前半の、反核署名なんかが自治会や町内会の回覧のようにして行なわれたら、それこそ大政翼賛会だという趣旨のことを吉本氏は書いていたそうな。記憶に残っていないが、同感だ。 2022/02/09
Hisashi Tokunaga
1
吉本隆明氏の「共同幻想」をも語りつつ、自治会・町内会の会長を経験した二人のインテリジェンスの会話。多分相当の資料を読み下しての対話になったはず。興味深いテーマが次々に出て来る。コトこの自治の領域に行政の知見は限られているようだ。法治行政では切り込めない魔界かも?個と言う目線で上を見ると国に行き着くし、国から下を見ると暗部にしか見えないのかもしれない。最近の総務省のレポートを参考までに添付。 https://www.soumu.go.jp/main_content/000761440.pdf2022/03/09