内容説明
ルネサンス精神とは、変化する世界の中で不断に“自己”を演出し続ける精神である。商品と情報の爆破的増殖による最初のグローバル化時代、15‐16世紀ヨーロッパ。すべてが崩壊し多様化するこの時代に、世界の結び目として「固有の地位と固有の能力を与えられなかった」(ピコ・デラ・ミランドラ)人間が、自身の居場所をデザインするため繰り広げた知的苦闘の軌跡は、新たな崩壊と多様化を生きる私たちにどんな希望を与えてくれるのか。「近代の曙ルネサンス」というブルクハルト以来の価値づけと、ヴァザーリ以来のフィレンツェ中心主義に揺さぶりをかけ、“交換”概念を時代解明の鍵にルネサンスを一つの包括的時代として指し示す。現代イギリスを代表するルネサンス史家・ブラウンによるロングセラー。
目次
第1部 序論
第2部 ルネサンスの文脈
第3部 ルネサンスの情熱
第4部 社会と新たな理念の流通
第5部 評価
第6部 史料
著者等紹介
ブラウン,アリソン[ブラウン,アリソン] [Brown,Alison]
ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ・カレッジ歴史学科名誉教授。15世紀末から16世紀初頭のフィレンツェ政治文化史を専門分野とする、現代におけるイタリア・ルネサンスに関する主導的研究者の一人
石黒盛久[イシグロモリヒサ]
1963年名古屋市に生まれる。筑波大学大学院博士課程歴史人類学研究科史学専攻課程修了。博士(文学)。現在、金沢大学人間社会学域歴史言語文化学系教授。専攻は西洋史学
喜田いくみ[キタイクミ]
1987年金沢市に生まれる。金沢大学人間社会環境研究科博士前期課程修了。現在、同大学博士後期課程在学中。修士(文学)。専門はルネサンス・ヴェネツィア美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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