出版社内容情報
一九八三年ころ、わたしが『試行』に投稿(「横光利一小論」)したあとに吉本宅を訪れたときに、その投稿を読んだ吉本さんの答えは、「横光の『旅愁』を読んでないでしょう。横光のその小説は横光の戦争を描いたもので、これがわからなければ横光はわからない。これを読んで決定的な横光論を書いてください」というものだった。このとき、なににわたしは狼狽したのだろうか。そのときはまったくわからなかった。これを理解するには時間が必要だった。わたしは吉本が秘めている「死」に接したのだと、今になって思う。(「きれぎれ〔『全質疑応答Ⅲ 1980~1986』に寄せて〕」より)
目次
詩誌『無限』発行所無限事業部主催・1980年3月26日 過去の詩・現在の詩
上智大学東洋宗教研究所・キリスト教文化研究所共催・1980年5月24日 親鸞の教理について
佐賀県立図書館内近代文学研究会主催・1980年6月21日 「生きること」と「死ぬこと」
宮城学院女子大学日本文学会主催・1980年11月29日 戦後文学の発生
梅光女学院大学主催・1981年7月3日 現代文学の条件
北九州市小倉・金榮堂主催・1981年7月4日 “アジア的ということ”そして日本
『修羅』同人主催・1981年10月25日 僧侶
自治労山口県職員労働組合下関支部主催・1981年11月7日 日本資本主義のすがた
早稲田大学文学部文芸専攻主催・1981年11月21日 物語の現象論
京都精華大学主催・1982年1月21日 文学の新しさ〔ほか〕