内容説明
出版史探索の千一夜物語ここに成る。
目次
吉江孤雁『緑雲』と如山堂
メエテルリンク『貧者の宝』とマーテルランク
国木田独歩『欺かざるの記』後篇と隆文館
博文館『縮刷独歩全集』と改造社『国木田独歩全集』
小杉未醒『漫画一年』と独歩
田山花袋『花紅葉』と大盛堂書店
金尾文淵堂と徳富健次郎・愛『日本から日本へ』
太宰施門『ブゥルジェ前後』と〓桐書院
『アナトオル・フランス長篇小説全集』と『小さなピエール』
フランス『舞姫タイス』と林達夫『文芸復興』〔ほか〕
著者等紹介
小田光雄[オダミツオ]
1951年、静岡県生まれ。早稲田大学卒業。出版業に携わる。『古本屋散策』(論創社)で第29回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
古本虫がさまよう
2
『近代出版史探索』も1、2、3、4と読みこれで5冊目。知らないことが多く、多少なりとも知っている箇所を拾い読みしつつ、ざっと目を通してきた。読みごたえのある出版物語だ。5巻も、ジイドの『ソヴエト旅行記』の出版時のエピソードの数々や、岩田豊雄(獅子文六)の『海軍』『娘と私』や、新泉社(叢書名著の復興)の項目(叢書名著の中にケストラーの『スペインの遺書』がある)などは興味深く一読。「リーゼンバーグ、太平洋協会訳『太平洋史』」のところにも関嘉彦さんなどの名前も出てくる。『太平洋史』の翻訳を関さんがしていたのだ。2021/01/20