著者等紹介
カー,ジョン・ディクスン[カー,ジョンディクスン] [Carr,John Dickson]
1906‐1977。別名にロジャー・フェアベーン、カー・ディクスン、カーター・ディクスン。アメリカ、ペンシルベニア州生まれ。新聞や学生雑誌への寄稿を経て、1930年に「夜歩く」で作家デビュー。長年の作家活動の業績から、63年にアメリカ探偵作家クラブ賞巨匠賞、70年には同特別賞を受賞した
ハリス,ジェームズ・バーナード[ハリス,ジェームズバーナード] [Harris,James Bernard]
1916‐2004。兵庫県生まれ。日本名は平柳秀夫。終戦後、英語教育者として英会話番組「大学受験ラジオ講座」や「百万人の英語」の講師を30年以上務めた。2004年死去
高木彬光[タカギアキミツ]
1920年9月25日、青森県生まれ。本名・誠一。「刺青殺人事件」(48)で作家デビューし、「能面殺人事件」(50)で第3回探偵作家クラブ賞・長編賞を受賞する。1995年9月9日、死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みつ
16
中学生の頃創元推理文庫で読んで以来の再読。メイン・トリックはともかくあまり記憶に残っていない。今回は戦後本格推理小説のはしりとして名を馳せた高木彬光の訳。古い訳のせいもあるのか訳者が惚れ込んでいるにもかかわらず、人物関係が錯綜していること、探偵フェル博士の言動が地味なこと、トリックで驚かせるための伏線が弱いことなど、他のカーの名作と比べると印象は弱い。むしろ併録されたハリス作「蠟人形」の、どこか乱歩風の猟奇趣味が面白い。解説で、作者がラジオ番組の英語講師(中学生の頃聴いた)と知り、これが本書の一番の驚き。2024/10/01
SIGERU
15
表題作は、子どもの頃、新潮文庫(宇野利泰訳)で読んで印象的だった作品。高木彬光訳が論創から出たので、再読してみた。翻訳としての精度は不明だが、文体はこなれている。カーにしてはオカルト趣味が抑制されているが、それでも、霧のロンドン塔でトップハットをかぶった死体が発見される奇抜設定が嬉しいところ。 作家による翻訳といえば、昔は、詩人が糊口を凌ぐためにミステリ翻訳を生業にしていた時期があった。ハヤカワには田村隆一が、創元には鮎川信夫がいて、クリスティ作品で翻訳を競い合っていたのも懐かしい。2021/08/15
engidaruma2006
9
昭和25年に発行された雑誌『別冊宝石』に掲載された作品。ちなみに現在の『小説宝石』とは無関係です。その別冊は1冊にカーの長編を3作ブチ込むという荒技で、全てが抄訳だったらしい。一応この作品は他の2作よりはページ数が多かったみたいだが、それでも原作から重要なシーンが削られているとの事。更に訳者の高木彬光氏は翻訳家では無いので、変にギクシャクした表現も多く、結局の所、内容を楽しむのなら創元推理文庫版を読む方が間違い無いみたい。日本を代表する本格推理作家高木氏がカーの作品を訳した、その点のみが貴重な一冊です。2020/11/19
とし
2
ストーリーやトリック等自体は面白かったのだが、抄訳であるためかプロの翻訳ではないためか、若干表現に違和感があるのと登場人物の描写が蔑ろになっているようで油断すると誰が誰だかわかなくなりそうになる。 正直雑誌の一節ならともかく、ハードカバー本にして出すほどのものなのか疑問。2021/03/16
totoro1949
0
訳が良くない 2021/11/12