内容説明
連続殺人を繋げる“赤い糸”の秘密とは?飛鳥高白寿記念出版。第15回日本探偵作家クラブ賞受賞作。
著者等紹介
飛鳥高[アスカタカシ]
1921年、山口県生まれ。東京帝国大学工業学部卒業。工学博士。1946年、『宝石』の懸賞探偵小説に「犯罪の場」を投じて入選、翌年、同誌で作家デビュー。62年に長編「細い赤い糸」で第15回日本探偵作家クラブ賞を受賞する。75年にコンクリート工学の研究で日本建築学会賞受賞後、本業多忙のため短編「とられた鏡」(76)を最後に断筆状態が続いたが、1990年、旧友が出版社を立ち上げた記念に長編「青いリボンの誘惑」を書き下ろし、久々に新作を発表した。2001年、日本推理作家協会名誉会員となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コチ吉
8
4つの事件がどのように結び合わされていくのか、興味はその一点だが、途中ある登場人物の動向が分からなくなって、それが真相に絡んでいると薄々感じる。そう言えばもう一人、と気付いた時にはもう最後数ページのところまで来ていた。もう少し個々の事件に伏線らしきものがあれば、読後感が鮮やかになった気がする。2021/06/01
カノープス
2
初読み作家。日本探偵作家クラブ賞受賞作。一見、何のつながりもない4つの事件が、鮮やかな収斂を見せるラストまでの巧みな構成、切なさと遣る瀬なさに満ちた人間のドラマ。今では全く忘れ去られた昭和の作家であるが、とてつもなく面白い。なぜこんなに素晴らしい作品が忘れられているのか。宝の山の昭和ミステリ。まだ知らぬ文学の秘宝を探す旅。自分の気持ちは、完全に過去に向かっている。2025/05/29