内容説明
なぜ、柄谷行人は文学から去ったのか?「形式化」から「交換様式論」への回路をたどり、柳田国男の実験への同意、吉本隆明との通底の強度、加藤典洋とのコントラストをつぶさに検証するポリフォニックな柄谷行人論。
目次
第1章 あるいは、「超越論的主体」のポエジー
第2章 反文学というプロジェクト―「発見」、「転倒」、ロマン主義批判
第3章 柳田国男、遍在する局地の鏡
第4章 「無方法」の「方法的制覇」
第5章 無限性と有限性との闘いにおいては、自然もリスクも支援されてはならない
第6章 「形式化」の狡知をめぐって
第7章 「交換」、あるいは出来事のゼロ地点
第8章 「形式化」と「出来事」の可能的な残余へ
終章 「原遊動性」という実在が「実験」される―「交換様式論」アップデート
付論 「事後性」の絶滅は求償されるだろうか―思考の消失、析出されるテロリズム
著者等紹介
宗近真一郎[ムネチカシンイチロウ]
1955年大阪府生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。1980年頃から、北川透編集「あんかるわ」などで批評、詩作活動。1985年に第一評論集『水物語に訣れて』を上梓。以後、著書に『リップヴァンウィンクルの詩学』(2017年、鮎川信夫賞)など。1990年から2015年にかけて、ファイナンスや企業買収にかかわり、延べ18年間、アメリカ、ロシア、フランス、ドイツに滞在(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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