内容説明
容疑者たちが主張するアリバイは真実の行動か、それとも偽りの証言か…張り巡らされた伏線と技巧を凝らした騙しのテクニックで読者を翻弄する傑作長編が初邦訳!
著者等紹介
フェラーズ,エリザベス[フェラーズ,エリザベス] [Ferrars,Elizabeth]
1907年、ミャンマー、ヤンゴン生まれ。本名モーナ・ドリス・マクタガート。6歳の頃に英国へ移住し、ロンドン大学でジャーナリズムを専攻する。1930年代にモーナ・マクタガート名義で作家デビュー。イギリス推理作家協会(CWA)の創設メンバーとしてミステリの普及に尽力し、77年にはCWA会長を務めた。95年死去
友田葉子[トモダヨウコ]
津田塾大学英文学科卒業。非常勤講師として英語教育に携わりながら、2001年、『指先にふれた罪』(DHC)で翻訳デビュー。多数の訳書・共訳書がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
maja
19
イタリア南部の町、古物商の息子の家庭教師として屋敷に住み込むルース。しかし、日々募っていく父子の口論に耐え切れなくなってきてイギリスに帰国も範疇に入ってきた。そんなおり、誘いを受けて知人宅に出向くのだが・・。どういうわけかアリバイのない人間となってしまって、ありえない事態に陥るルース。大して知らない人物に従う窮地にぞっとした。余裕ない危うい彼女の胸のうち。各々が何を語って何を語っていないのか。理屈で押すきらいもあるがそれでも惹き込むロマンチックサスペンスで面白かった。2025/09/21
アカツキ
9
ルースはレスターから住み込み家庭教師として雇われているが、レスターの息子に対する態度に嫌気がさして辞めようと考えていた。そんななか、誰もいないはずの家で物音がして様子を見に行くと、ニッキーが玄関を出て行き、部屋でレスターが死んでいるのを見つける。そこへ警察が訪ねてきてレスターが山中でひき逃げ事故に遭って死亡したと告げ…。ルースを陥れようとする何者かに巻き込まれるロマンスサスペンス。ロマンス相手のスティーヴンのこと、終わりの方までアホの子だと思ってた。死体を隠すのはイカンでしょ…。2020/12/16
koo
6
フェラーズのノンシリーズもの。家庭教師として雇われているルースが雇い主レスターの死体を発見した後のサプライズが中々魅力的、登場人物たちの人間関係は泥々し嘘の証言、はっきりしないアリバイ、誰を信用していいかわからないストーリー。サスペンスとしてももう少し恐怖感、切迫感が欲しい所ですが明るい作風で読みやすいのがかえって良かったです。作品構成としては中盤以降の殺人は不要ですし本格的手掛かりも不十分、何よりルースが事件に関わる必然性に欠けますがクリスティ風味のサスペンスとして中々楽しめました。2023/11/06
チェス
3
謎解きあり、ロマンスあり、で楽しめた。2023/09/27
夜歩く
2
トビーもジョージもいないフェラーズ。本作はロマンス(ありきたり感)でストーリーを盛り上げようって方針ですか。序盤の死体発見からの畳みかけるような展開は面白かった。しかしストーリー展開が都合よすぎ感はいなめない。複雑に込み入ったロジックを読むとフェラーズだなあと思うが、個人的にはトビー&ジョージもののほうがコメディ色があって好きです。2025/07/07
-
- 和書
- すみれそよぐ - 句集