内容説明
蒐集した厖大な古書を読み込み、隣接する項目を縦横に交錯させ、近代出版史と近代文学史の広大な裾野を展望する。『日本古書通信』に17年間にわたり連載した200編を集成!
目次
近代古書業界の誕生
佐野眞一『だれが「本」を殺すのか』と大島一雄『歴史のなかの「自費出版」と「ゾッキ本」』
古本屋と『現代史資料』
『世界文芸大辞典』の価値
高浜虚子「杏の落ちる音」と岡田村雄
中村古峽の出版
三上於莵吉の翻訳
『村上太三郎傳』と『明治文学書目』
白水社『模範仏和大辞典』と仏文学者
戦前の『図書総目録』〔ほか〕
著者等紹介
小田光雄[オダミツオ]
1951年、静岡県生まれ。早稲田大学卒業。出版業に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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古本虫がさまよう
3
作家、評論家、学者等々、さまざまな人の書いた「(古)本」などをキーブックにして、知的な軌跡を辿る感じのコラム集。なるほどという感じでチェックしながら一読。ポルノ関連にも一家言あり。富士見ロマン文庫では、セバスチャン・グレイの『白い獣』が秀逸とか。「ロマン文庫はまだ古本屋で拾えるはずであり、この『白い獣』たけでもロマン文庫は記憶されなければならない」と。ロマン文庫は全冊持っていて、その本も所蔵しているが未読かな。僕は、スティーヴン・ヴィジンツェイの 『年上の女 アンドラーシュの愛の回想』がナンバー1だが…。2019/06/24