内容説明
ニューヨーク郊外に佇む精神病患者療養施設。奇怪な連続殺人事件が幕を開けようとしていた。ラティマーの処女作が本邦初訳で遂に刊行!酔いどれ探偵ビル・クレイン初登場作。
著者等紹介
ラティマー,ジョナサン[ラティマー,ジョナサン] [Latimer,Jonathan]
本名ジョナサン・ワイアット・ラティマー。アメリカ、イリノイ州シカゴ生まれ。ノックス・カレッジを卒業後、“シカゴ・トリビューン”紙で新聞記者として働く。1935年、私立探偵ビル・クレインが登場する『精神病院の殺人』で作家デビュー。シナリオライターとしても活躍。またピーター・コフィン名義での作品もある
福森典子[フクモリノリコ]
大阪生まれ。通算十年の海外生活の後、国際基督教大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆのん
61
【ビル・クレイン探偵シリーズ1作目】『弁護士ペリー・メイスン』や『刑事コロンボ』などの脚本も手掛けた作者の作家デビュー作。ハードボイルド物だが、酒好きで美女に弱い。飲み過ぎてすぐに寝てしまうので捜査は進んでいるのかと心配になるほど。なかなか進展が見られないので少々単調気味でページも進まなかった。全体的に抑揚が無く盛り上がりに欠ける感はある。1832019/06/05
飛鳥栄司@がんサバイバー
22
酒と女にめっぽう弱いクレインのデビュー作。ラティマーの独特な雰囲気は堪能できるが、まだまだ方向性が定まっていない印象を受ける。登場人物が少ない割には、動いている人数が少なかったり、ストーリーの展開が雑だったりと粗が目立つためだ。しかし、本格ミステリとしての構造や意外な結末などの読み応えは申し分なく、また今後花開いていくラティマーの世界観が本作ですでに垣間見ることができる。精神病院という特殊な閉鎖空間で起こる連続殺人事件とクレインが織りなすドタバタな立ち回りを、処女作で書いたラティマーの実力を感じて欲しい。2018/12/24
keik29
3
市図書館本。2022/06/06
青縁眼鏡
3
舞台が精神病院なので、登場人物たちの証言が信用ならない。テレビドラマ『レギオン』のような雰囲気もあった。2020/09/09
春風
3
かの『ドグラ・マグラ』と同じ1935年に刊行された精神病院ミステリー、なのだけど、こちらの舞台は富裕層向けのホテルみたいな療養所(クエンティンの『迷走パズル』の舞台と同じような感じ)。精神疾患の描写はびっくりするほど薄いので、そういう関心で読むのは間違った読み方なんだろうな。ミステリとしてもあんまり感心しない出来。2019/01/22