出版社内容情報
1983年、北の海に消息を絶った大韓機。事件報道の最前線で国際政治の思惑に翻弄される記者たちの葛藤を描く表題作ほか4篇の小…"あの夏、269人がサハリンの海に消えた──
1983年、北方の海上に消息を絶った大韓航空機。数多の無辜の命を奪ったのは、ソ連戦闘機が放ったミサイルだった。報道の最前線で国際政治の思惑と入り乱れる情報に翻弄される記者たちの奮闘と葛藤を描く表題作をはじめ、元新聞記者が体験した激動の昭和をリアルに紡ぐ4篇の小説集。"
"埋もれた波濤
鳩憑
地図の中に吹く風
迷鳥
あとがき"
滑志田?[ナメシダ タカシ]
著・文・その他
内容説明
あの夏、269人がサハリンの海に消えた。1983年、北方の海上に消息を絶った大韓航空機。数多の無辜の命を奪ったのは、ソ連戦闘機が放ったミサイルだった―。
著者等紹介
滑志田隆[ナメシダタカシ]
1951年神奈川県藤沢市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。1978~2008年、毎日新聞記者。2008~10年、統計数理研究所客員研究員。2010~15年、森林総合研究所監事。2015~18年、内閣府・農林水産省・国土緑化推進機構各委員。(現)森林総研フェロー。日本山岳会、日本野鳥の会、山形文学会、日本記者クラブに所属。俳誌『杉』『西北の森』同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホン
4
四作からなる私小説のようだが やはり大韓航空機撃墜事件を扱った表題作の「埋もれた波濤」が印象深い。当時 この事件を追いかけた作者である記者の怒り、やるせなさ、寂寞感が35年経った今でもしみじみと伝わってくる。限りなく疑いを持ちたくなる面もあるが未だに真相はわからないままのこの事件 私もかなりの関心をもって このニュースに釘付けになったのを覚えている。2018/10/30
Hirochan
2
産経新聞の書評をみて読みました。 4篇からなる短編集、書題にもなっている『埋もれた波濤』はジャーナリストの視点から書かれている良作です、淡々と書かれていながら最後には熱いものが込み上げて来ます。 他の三篇も定年前後の越し方を捉えた良作です。2018/12/20