内容説明
湖畔のキャンプ場に展開する恋愛模様…そして、殺人。オーソドックスなスタイルの本格ミステリ『月光殺人事件』が完訳でよみがえる!
著者等紹介
ウィリアムズ,ヴァレンタイン[ウィリアムズ,ヴァレンタイン] [Williams,Valentine]
本名ジョージ・ヴァレンタイン・ウィリアムズ。別名義にダグラス・ヴァレンタイン。1883年、英国ロンドン生まれ。ロイター通信や『デイリー・メール』紙のジャーナリストとして活躍し、第一次世界大戦中は戦争特派員として西部戦線に派遣された。1915年にイギリス陸軍近衛師団のアイリッシュガーズ連隊へ入隊するが、フランスのソンムで戦闘中に重傷を負い除隊。除隊後はジャーナリスト、作家、秘密情報部員を経て英国大使館職員となる。退職後、46年に死去
福井久美子[フクイクミコ]
英グラスゴー大学大学院英文学専攻修士課程修了。英会話講師、社内翻訳者を経て、フリーランス翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
飛鳥栄司@がんサバイバー
24
クリスティのコピーを読んでいるような印象だった。物語の導入部分で登場人物の人となりが書かれ、小さないざこざが起こり、憎まれ役の人物が殺され、ひとクセある探偵が推理を展開する。クリスティのお家芸がそのままなのだ。ただ、事件の真相については、ワンランク落ちる感じが否めない。すごくいい感じで本格ミステリが展開されていたのだが、最後の最後で探偵が裏で調べて得た事実がでてきて、決めのところでミソをつけたようで少し残念。目を伏せたくない部分ではあるが、そこに目をつぶれば、読み応えのあるよい本格ミステリである。2018/09/28
雪紫
7
ロマンスが交錯し事件が起こる。最後のカップル成立や何処かクラシックな筋立てといい、クリスティー思い出すなあ。と思ったら解説で言われちゃってる(笑)。解説で語ったミスディレクションの部分を読み返すとああ、成程と納得出来た。2019/04/15
ようへい
4
タイトルに惹かれて読み始めたところ、とても普通のミステリーでした。ある意味マニアックな作品に手を出せるようになった事に自身の成長を感じる事にしよう。2019/03/16
Masako Yamada
4
なつかしい英国の雰囲気あり。スコットランドヤードから、青年刑事さん登場。お話そのものは素朴。けれどロープの結び方など、のちの世のアメリカ刑事ドラマにも使われています。いまや時代は流れて科学捜査ですけれども刑事ものの基本があり。時代のふんいきが出ており、たとえば語り手の、戦争による喘息などそうですね。また時代は女性の職業にもみてとれます。女性のわたしが読むと、秘書にしかなれない聡明な女性に応援したくなります。ほかにしたたかな女性も登場、女性陣のキャラはたっています。1935年発行、ミステリの昔。2018/12/21
mercury
2
語り手は第1次世界大戦で負傷した作家志望の青年、探偵役は休暇中(?)のスコットランドヤードの刑事。出だしは退屈だったが事件が起こると一気に面白くなった。2020/01/29