内容説明
雑木林で見つかった無残な腐乱死体。犯人は“三人の妻と死別した男”か?鉄壁のアリバイ、顔を潰された死体、見つからない動機…作者の仕掛ける巧妙な罠!
著者等紹介
カーマイケル,ハリー[カーマイケル,ハリー] [Carmichael,Harry]
本名レオポルド・ホーレス・オグノール。1908年、カナダ、モントリオール生まれ。英国内でジャーナリストやエンジニアとして働き、51年にハートリー・ハワード名義で“The Last Appointment”を発表し、作家デビュー。二つのペンネームを使い分け、生涯に85作のミステリ長編を書いた。79年死去
水野恵[ミズノメグミ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あさうみ
39
読み友さんのレビューから。1961年刊行古き良きミステリー!ミステリーの基礎がつまっている感じ。事件の真相が最後の最後まで解らず、むしろドツボにはまりました。現在の科学では通用しないトリックですが、読者の眼を欺く数々の伏線、面白かったです。保険屋のパイパーと記者クインのコンビがいい感じ♪2018/07/22
本木英朗
25
英の本格ミステリ作家のひとり、ハリー・カーマイケルの作品のひとつである。俺は当然、今回が初めてだ。雑木林で見つかった無残な腐乱死体。犯人は«三人の妻と死別した男»か? 鉄壁のアリバイ、見つからない動機……作者の仕掛ける巧妙な罠!という話だ。最後の最後まで全く分からなかったよ、俺は。まあ、それでもいいけれどねえ。保険調査員ジョン・バイパーは、はたしてこの謎をどうやって解明するのか? その辺が見ものであります。よかったねえ、うん。またいつか読みたいなあ。2020/09/21
飛鳥栄司@がんサバイバー
24
読ませる。タイトルが「アリバイ」と単純かつ印象的なこともあり、序盤から読者の視点は不在証明を探しにいく。尻の軽そうな蜘蛛のような女と、その罠に捕まった小心者の弁護士のやり取りで幕があがり、そして行方不明になった妻を探してほしいという、曰く有りげな男が登場。意味ありげに配置された登場人物から、この3人を取り巻くアリバイ崩しが展開されるのかと思いきや、アリバイ崩しどころか、事件の的が顔のない殺人へと転嫁され、サスペンスフルな終盤の駆け引きへと化けていくのだ。カーマイケルがもつ緻密さと上手さが光る作品である。2018/06/19
ふう
10
よく考えたらド直球なタイトル。内容もそのアリバイがメインかと思いきや…うーん合わせ技一本って感じかな。時代設定がよくわからなかったのでこれで済ませていいの?と思うこともしばしば。初っ端から妻に感情移入できず、なら旦那が犯人でもまぁいいやみたいな気分になってしまい、テンションと読了スピードが落ちたのは残なんながら事実w かなり後半で判明する事実を帯に書いちゃっていいのかも疑問。解説を先に読む人がいるからとか言いながらも踏み込みすぎな解説もおいおいだし。にしてもDNA鑑定って本当偉大だわ。2018/05/18
koo
8
いやあ、まさにこういうのでいいんだよといいたくなる古き良き本格作品でしたね。ハリーカーマイケル初読みでしたが素人探偵ジョンバイパー&クインシリーズ第19作目の様です。バイパーが失踪女性を調査してゆく内に顔を潰された死体の発見、容疑者には強固なアリバイが、更には第二の殺人がと緩やかな進行ながらお手本の様なストーリー進行、メインプロットはクリスティ初め幾つか類似作が思い浮かびますがそれ込みで懐かしく感じながら楽しめました。他作品も期待したいですね。2023/07/12