内容説明
人文主義者による“女性伝記集”の先駆をなす傑作!師ペトラルカの人文主義の影響を深く受け、古典古代の神話・歴史上の名婦たち106名を描き、後のジェフリー・チョーサーやクリスティーヌ・ド・ピザンを始め、多くの作家たちの典拠となった伝記集。ラテン語の原典より本邦初訳!
目次
われわれの原初の母エヴァについて
アッシリアの女王セミラミスについて
サトゥルヌスの妻オピスについて
諸王国の女神ユノーについて
収穫の女神とシキリアの女王ケレースについて
ミネルヴァについて
キュプロスの女王ウェヌスについて
エジプトの女王にして女神イシスについて
クレタ島の女王エウローパについて
リビアの女王リビアについて〔ほか〕
著者等紹介
瀬谷幸男[セヤユキオ]
1942年福島県生まれ。1964年慶應義塾大文学部英文科卒業、1968年同大学大学院文学研究科英文学専攻修士課程修了。1979~1980年オックスフォード大学留学。武蔵大学、慶應義塾大学各兼任講師、北里大学教授など歴任。現在は主として、中世ラテン文学の研究、翻訳に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いとう・しんご
8
本作は「デカメロン」から10年ほど経って書かれたもの。前作はイタリア語、本作はラテン語。よそ行きのボッカッチョと普段着のボッカッチョ。人間愛、特に女性への優しさに溢れ、軽妙洒脱を愛した10年前の普段着の彼と、女性を蔑視し道徳的なお説教を垂れたがる講壇哲学者風の本作の彼。しかし、ボクにはエッチはお話を100話も書いた彼が、本作の背後で後ろを向いて舌を出しているような気がしてならないのでした。謹厳実直を装えば装うほどに・・・。2025/03/20
遊未
5
ほとんどが歴史上有名な女性であり、この時代の女性観がよくわかります。106名が登場しますが、紹介に続く毎回のキリスト教的女性観には食傷気味になりました。ギリシア神話の女神についての扱いは認められるわけがなく実在の人物にされています。そういう手があったかと思い、ルネサンス期もキリスト教の中の時代であったとしみじみ感じました。2018/01/21
拡がる読書会@大阪
2
ジョヴァンニ・ボッカッチョ。中世イタリアでの詩人、作家。 「デカメロン」はルネサンス文学の代表作でもあります。 そのボッカッチョが歴史上の人物から神話やおとぎ話にでてくる106人の女性を紹介しています。 まだまだ男尊女卑のの思想が強い中世ヨーロッパでの作品ですから、ちょっと偏りはある内容ではあるのですが、当時に女性でも才能のある人を見出しているところは人間性の開放を訴えるルネサンス作家ならではかもしれません。 https://note.com/sharebookworld/n/nb04c4104fe0b2023/12/29
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