内容説明
古めかしい病院の“十八号室”を舞台に医師、看護婦、患者達を翻弄する事件にオリアリー警部が挑む!アメリカ探偵作家クラブ巨匠賞受賞作家の長編デビュー作!!!
著者等紹介
エバハート,ミニオン・G.[エバハート,ミニオンG.] [Eberhart,Mignon G.]
1899‐1996。アメリカ、ネブラスカ州リンカーン生まれ。1929年、シリーズ物の第1作目となる、看護婦セアラ・キートとランス・オリアリー警部のコンビが活躍する『夜間病棟』(1929)で長編デビュー。翌年、同シリーズ“While the Patient Slept”(30)で、ダブルデイ社の年間最優秀ミステリに与えられる“スコットランドヤード賞”を受賞。エバハートは、M・R・ラインハートと共に“HIBK(もしも知ってさえいたら)”派と評され、ゴシック・ロマンスと伝統的な謎解きミステリを結合した功績は多くの作家に影響を与えた
藤盛千夏[フジモリチカ]
小樽商科大学商学部卒。銀行勤務などを経て、インターカレッジ札幌にて翻訳を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Naoko Takemoto
12
論創海外ミステリはマニアックなラインナップで、印象的だったのは『刈りたての干し草の香り』今回の『夜間病棟』タイトルだけでゾクゾクして、オカルトじみたミステリを期待した。しかし案外にサッパリした読後感。ただ1920年代ぐらいの医療水準のアメリカの病院風景が興味深かった。まあ、嵐が起きても殺人が起きても看護婦めっちゃタフ、全然寝ないで夜勤ばかりしている。謎解きも平均的で悪くなかったが、もっとキャラそれぞれに癖があると良かった。刑事オレアリーの冷静な男前さはこの1作だけでは堪能できないと思う。2017/12/25
カーゾン
4
M:「見ざる聞かざる」があまり印象に無かったけど、病院のいわく有りまくりの病室での連続死亡事件を中心とした、適度なサスペンス交じりのミステリ。そこそこスリルがあって小生は面白く感じた。ガイガーカウンターが発明されたとされる翌年の著作だから、作品に出て来ないのは仕方ないか。オリアリーに助手つけろよ、って呟きながら読了。 主人公の看護師が厳しい人かと思えば、中途半端に優しいし、目立ちたがりの技術者が変に引っ搔き回して解決が遅れるのは、お約束として受忍し、次「暗い階段」をいつ読もうかな。2023/02/26
たこらった
3
蓼食う虫というやつで好きな人は好きなのだろう。ヘーッと思ったところだけメモ:小規模な病院でもラジウムを使った治療が行われており、そのラジウムが非常に高価で人を殺してでも手に入れたいブツであったこと。悪女の属性としてハイチの血がスキャンダラスに盛り込まれており、遡れば食人種だなどと言われている。イケメンな探偵刑事の出現。6月にやたら雨が降る(一週間降りっぱなし)。呪われた18号室じゃ嫌だと患者が頑張ったので“看護婦としての私の人生で初めて”患者の言いなりになって部屋を替えたと言うほど病院側に力があったこと。2024/04/30
milk
3
深夜の入院病棟で殺人事件が起きます。それも曰く付きの病室です。時代も古く、場所は病院、これだけでもミステリー感が満載で、スリルがありました。 登場人物が少なくストーリーもシンプルなのですが、それぞれに疑わしいところがあって、簡単に推理させてくれないところに面白さを感じました。 アメリカのクリスティと称された作家と後書きにありましたが納得です。この著者も出版社も初めてでしたが、他にも隠れた名作がたくさんありそうです。調べてみようと思います。2017/10/29
N.蘭子
2
暗闇の病棟という舞台が雰囲気抜群。皆が怪しい言動をそこかしこでしてるので、それぞれの行動をきっちり拾わないと推理できず、ややこしくてあきらめて解決を楽しみに読んだ。有能な警官と、理性的なオールドミスの看護婦という組み合わせは意外だけど、ユーモアはなくて超真面目路線。嵐の館も読んでみようかな。2017/10/19