著者等紹介
フィルポッツ,イーデン[フィルポッツ,イーデン] [Phillpotts,Eden]
1862‐1960。別名ハリトン・ヘクスト。旧英国領インド、マウントアブー生まれ。英国で教育を受け、17歳で保険会社に就職。事務員として働きながら演劇学校へ通い、舞台俳優を志すも叶わず、代わって創作活動を始め、雑誌編集者を経て専業作家となった。その後、デヴォンシャーに移住し、ダートムア地方を舞台にした田園小説で人気を博して文壇の大家となり、晩年まで多方面にわたって旺盛な創作活動を続けた
木村浩美[キムラヒロミ]
神奈川県生まれ。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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SIGERU
5
破格のミステリ。詳細はネタバレに亙るので略すが、乱歩に激賞された名作「赤毛のレドメイン家」(1922年)以来、極悪人の肖像を追究してきたフィルポッツらしさに溢れた作品だ。1953年発行の抄訳が入手困難であり、ミステリファンに待望されていた翻訳。論創社えらい。冒頭から、鉄壁としか思われない密室殺人が登場し、本格味満載でワクワクさせるのだが、その解決は…。後書きでむちゃくちゃ貶されていたので苦笑。なるほど、これでは旧来の「密室の守銭奴」という邦題は変更せざるを得なかっただろう。2016/10/19
カーゾン
2
M:他の人も書いているように密室のトリックはひどい。すれっからしの読者には途中で犯人の予想もつく。当時の会話を楽しみましょう。なお、自分としては犯人をこのように許すのは出来ないですね。2020/11/15
豆大福
1
「赤毛のレドメイン」で知られるフィルポッツ1926年の作。この人の作品はいまとなっては確かに古めかしいのだが、美しい風景描写、無理のない展開、犯人像の鮮烈さなど捨て難いところも多く、自分も4,5編読んでいる。だが、本作はいただけなかった。まず、話の運びがあまりにもゆったりし過ぎて退屈。現代の読者なら半分ぐらい読んだところでメイントリックは別にして、プロットは見えてしまうだろう。そのメイントリックにしても、誰もが言うように脱力するような出来である。称賛すべきは、異様な性格の犯人の創造ぐらいだろうか。2024/01/04
よだみな
0
前半で犯人がわかっちゃった。2016/09/21