内容説明
夏期休暇に出掛けた十人の男女を見舞う悲劇と惨劇。神秘のベールに包まれた連続殺人の謎が不気味に深まっていく…
著者等紹介
ウィップル,ケネス・デュアン[ウィップル,ケネスデュアン] [Whipple,Kenneth Duane]
1894‐1973。アメリカ生まれ。ニューイングランド旧家の出身という以外、詳しい経歴は不詳。クレアモント・デイリー・イーグルという新聞社でジャーナリストとして働き、1921年に探偵小説の短編第一作を発表。同社に勤務しながら文筆活動を続け、1920年代から30年代にかけてパルプ雑誌を中心に活躍した。寡作家なのか現在までに確認されている作品総数は10作程度と非常に少ない。別作家のペンネームという可能性も指摘されているが、事実確認はされていない
熊木信太郎[クマキシンタロウ]
北海道大学経済学部卒業。都市銀行、出版社勤務を経て、現在は翻訳者。出版業にも従事している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
飛鳥栄司@がんサバイバー
15
『鍾乳洞殺人事件』の方が面白いかな。いろんな要素を詰め込みすぎて、最後に風呂敷を畳みきれていない印象。収集がつかなくなってしまって無理矢理に事件を終息させて、最終章で一連の犯行を振り返っている。証拠や論理的な説明が弱いこともあり、尻窄みになってしまっているのが残念だ。もう少し登場人物を絞ったり、冒頭の殺人を軸に犯人探しに執着した方が、サスペンスとしても引き締まったのではないだろうか。作品自体は好評価とはいかないが、ウィップルという作家に光を当ててくれたことを評価したい。2016/01/27
チェス
1
長さ的にも内容もそこそこ楽しめたけどな。2023/11/09
senyora
1
「幻ミステリ研究家」だそうな、絵夢 恵さんが最後に書かれている言葉・・・細かいことは気にせずに、古き良き昔のミステリのセンス・オブ・ワンダーを楽しみたい方にとっては、期待を裏切られないものと信じます。・・・が全てを語っているような本でした。 『論創海外ミステリ』シリーズはミステリの玉手箱のようで楽しいです2016/04/16
N.蘭子
1
初読み作家。うーん・・本格ものとしても物語としても突っ込みどころ満載。2016/02/20
じゅん
0
★☆☆☆☆出来の悪いミステリのお手本のような作品だった。事件に関する捜査がほとんど行なわれないため、そもそも解決に至る証拠が存在しておらず、謎がないのでミステリですらない。にもかかわらず、書き方がへたなのでなぜか犯人が誰かわかってしまう、という珍現象を体験できる。犯人が勝手に自白するというオチは、筆者の苦心がうかがえるようでけっこう笑えた。確かにひどすぎる作品なのだけど、解説者の「ウィップルにまともなミステリ期待しちゃだめだよ」というのはかなり頭にきた。訳者に失礼だし、趣味感覚のコメントはやめてほしい。2016/10/12