内容説明
『小学一年生』から見た戦後出版史。1967年に小学館に入社した著者は、学年誌を皮切りに、童話・子ども百科・文芸書の編集者として手腕を発揮するが、児童文学者としても活躍の場を広げてゆく。戦後の子どもの遊びから学年誌、児童文学を語る。
目次
東京生まれで長野へと疎開
父親の復員と飯山での生活
初めて買った雑誌が『小学一年生』
子ども雑誌の付録
児童文学とカバヤ文庫
カバの宣伝カーの記憶
戦後の子どもの遊び
石投げ、印地打、駆逐水雷
農繁休暇と採集遊び
フラフープ、週刊誌、ダッコちゃん〔ほか〕
著者等紹介
野上暁[ノガミアキラ]
評論家、作家。日本ペンクラブ常務理事。東京純心大学こども学科客員教授。1943年、東京に生まれ疎開先の長野で少年時代を過ごす。中央大学を卒業後、小学館に勤務し『小学一年生』編集長、児童図書、一般書籍担当部長を経て、取締役、小学館クリエイティブ代表取締役社長、白百合女子大学児童文化学科、東京成徳大学子ども学部非常勤講師などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Bridge
3
戦後の児童書、子ども向け雑誌の発行状況や、ISUMI会以外のグループについて知ることができる貴重なインタビュー。子どもの本に関わる人は、一読の価値がある。2020/03/25
matsumoto@読書中
3
語り手は小学館で学年誌と児童書を編集した人。最初に配属されたのが「小学一年生」で、それを当時1年生の僕もちょうど読んでいた、というところから興味をひかれ、購入。興味深かったのが、①新入社員当時、手塚治虫番だった。とすれば、僕が「小学一年生」で大好きだった「ガムガムパンチ」もおそらく担当のはず。おぉ。②円谷プロとのパイプ役として怪獣図鑑を作り、100万部以上を売った(ただし「スペル星人問題」とは無関係)。③最後は関連の小学館クリエイティブの社長。「火星探険」そのほかの復刻漫画は、この人がいたからこそ。2015/10/13
コウみん
1
「小学一年生」の話から戦後昭和の子供文化について分かる一冊。 多くの児童書と絵本を生み出した小学館で配属された著者とその本と関わっていた頃の話が分かってとても面白かった。 学生時代、小田切先生から学んだ漫画史的な内容もあった。2022/02/14
psy
0
とても面白く、興味深かったです。著者の野上さんの生まれ、活躍された時代が、日本の戦後児童文学史、子ども文化史、社会史と重なって読めるのも興味深く。編集者、出版人、研究者として多彩なご活躍をされていたとは思ってましたが、大系だって読めたのは収穫。この本が1日のインタヴューというのは凄いですね。内容を年表に纏めたくなりましたw 多分、収録は2015年かと思いますが、それから更に出版界は激変しているかと。ネット、電書化、など、どこへ向かうのか。このシリーズ、他のも読んでみたいかとす。取りゃ得ず次は鈴木書店のを。2016/06/02