内容説明
最愛の人を亡くして無数の地球を遍歴した厭世家の青年が、最後にだした答えとは?「カンタン刑」の著者が遺した唯一の長編SFが完全版で甦る。幻の同人誌版・秘蔵エッセイを収録。全てのバージョンが楽しめる決定版。
著者等紹介
式貴士[シキタカシ]
1933年2月6日、東京都生まれ。早稲田大学大学院文学研究科(英文学専攻)修士課程修了。ワセダミステリクラブの創設メンバーのひとり。1977年に短篇「おてて、つないで」でデビューし、79年に第1短篇集『カンタン刑』を上梓。1985年までの約8年の作家活動で、9冊の短篇集と長篇『虹のジプシー』を著す。式貴士の他に複数の筆名をもち、間羊太郎でミステリ評論や雑学読み物、蘭光生で官能小説、小早川博で性雑学本やジョーク記事執筆、ウラヌス星風で西洋占星学研究など、幅広い分野で健筆を振るった
五所光太郎[ゴショコウタロウ]
1975年、東京都生まれ、埼玉県育ち。高崎経済大学経済学部卒業。2000年より、式貴士研究サイト「虹星人」を運営(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スターライト
4
初めて読む作家、式貴士のSF長篇。種々なペンネームを使って文章を残していて、その一つ間羊太郎名義の『へんな学校』(立風書房刊)は中学生の頃に読んでいた。解説にもあるように、死に憑かれていた青年が、現実とは異なる様々な地球を訪れ、憧れの貴美子の幻影を追う形で遍歴を重ね、生きることに意義を見出していく作品である。作品設定はSF的でありながら、ストーリー自体は恋愛小説、いや変愛小説(!)であり、その後の著者のSM作家への転身の萌芽も見て取れる。巻末の参考文献に知人のダイジマン氏が出て、びっくりした。2015/07/06
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