内容説明
1937年初夏の晩ロンドン郊外の屋敷で資産家の遺体が発見された。凶器は鈍器。ヘイヤーの本格長編ミステリ待望の邦訳!スコットランドヤードのヘミングウェイ巡査部長とハナサイド警視が事件を追う!
著者等紹介
ヘイヤー,ジョージェット[ヘイヤー,ジョージェット] [Heyer,Georgette]
1902‐1974。英国、ウィンブルドン生まれ。The Black Mothを1921年に刊行し、作家としてデビュー。35年に摂生時代を初めて小説で取り上げたRegency Buckを刊行し、“摂生ロマンス”のジャンルを確立する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
23
怪しいと思われる人物はほぼ絞られるのでミステリ部分の推理はさほど難しくない。犯行時刻のアリバイを巡った会話が交わされるがほぼ目くらまし。登場人物がよくしゃべる。会話文でテンポよく物語を進めるタイプ。ハナサイド警視はもっぱら聞き役に回りながら矛盾点を突いて行く役どころ。彼の部下ヘミングウェイは今回の目撃者でもあるグラス巡査と組まされて四苦八苦。グラス巡査は極めて信仰心が強く、事あるごとに箴言を口にする。箴言の内容を説明してくれないので、わからないと「難しい言葉ばっかり言って!」と読者もヘミングウェイ状態に。2015/10/16
飛鳥栄司@がんサバイバー
19
しつこいくらいに5分間に起きた殺人の可否とアリバイが書かれていて、最後まで冗長的だなぁと思っていたら、作者仕掛けた罠だった。このしつこさに目を背けたくなるのだが、背けた時点で読者の負け。少数の容疑者をアリバイを元に丹念に排除すべき人物と残すべき人物とを選り分け、最後まで残った容疑者も枠の外へ追いやらなければならなくなった時に、それまでに丁寧に張られていた伏線が効力を発揮しだすのだ。作者が書いたミステリとしては7作目にあたるようだが、セイヤーズが認めた実力派としてグッと説得力を増した作品に仕上がっている。2015/03/15
カーゾン
15
L:今作も人を小馬鹿にするキャラ、家庭内が冷え切っている夫婦など、ヘイヤーの著作には必ず居る登場人物が出て来て、しかも警察に正直なことを言わないのはお約束か? 4作出た中ではハナサイド始めとする警察側の存在感・調査している感は一番あったし結論含めて楽しかった。犯人は当てやすいかとは思う。 ところで欧米人は皆、旧約・新約聖書の一節一節を諳んじているのかねぇ? ロマンスがあり、1組ハッピーエンドとなっているが、こんな男(しかも借金あり)と結婚して長く続けられるか??と思いつつ頁を閉じる。 2024/11/07
reeree
9
[http://mediamarker.net/u/reeree/?asin=4846013820] 原題「A Blunt Instrument」 ほんの数分の間に行われた殺人事件、怪しい人は何人か出てくるけれど皆アリバイあるし凶器も発見出来ないしどうなるんでしょうって話。 数分間で行われた殺人事件もだけど昼間に心労でベッドで休んでいたヘレンが10分で起きて着替えて隈隠しの化粧も終わってる事に驚いた。 手際良すぎるだろ。 書いたの男性かと思ったら女性だった。2017/06/08
アカツキ
6
ハナサイド警視シリーズ。原作3作目は未訳で、本書は4作目の翻訳になる。女性関係の華やかな資産家が鈍器で殺害され、容疑者たちがめいめいで勝手に盛り上がって…。犯人の見当が早いうちについてしまうのが少し残念。ことあるごとに聖書の箴言を口にして、みんなを辟易させるグラス巡査が好き。2019/05/13