内容説明
湯月中尉は、照準器のなかで、B‐29の鼻先二〇メートルほどの位置に狙いをつけると、「ていッ!」気合い一閃、機銃発射レバーに追加されていた噴進弾の発射ボタンを押した。ズババンッ!機体が小刻みに揺れ、両翼の下から白い噴煙が飛び出した。その数は八―。噴煙の先には黄色い炎が見える。噴進弾―すなわちロケット弾である。八発の噴進弾は、先頭を飛来するB‐29めがけて突進した。
著者等紹介
菅谷充[スガヤミツル]
1950年、静岡県生まれ。小学生のとき松本零士氏の戦記漫画に憧れ、航空戦記漫画を描き始める。高校時代から石ノ森章太郎氏に師事し、’72年『仮面ライダー』(原作・石ノ森章太郎)で漫画家デビュー。’83年『ゲームセンターあらし』で第28回小学館漫画賞受賞。’94年、近未来航空戦記『漆黒の独立航空隊』(有楽出版社)で小説家デビュー。以後、架空戦記と自動車レース小説を多数執筆
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。